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7インチ盤専門店雑記225「ムーンライト・サーファー」

明日収録予定のラジオ番組で、この曲を使うか止めておくか、悩みに悩んでおります。世の中、相当のレベルでJ-POP、CITY POPブームのようです。山下達郎はないか、竹内まりやはないかといったお問合せはしょっちゅう受けます。でも人気になっているのはごく一部の音源のようにも思えていけません。お問合せの内容も全然広がりません。当時が懐かしくて探されているというよりは、当時を知らない若い方の方が多いですからね。

そんなわけで、「CITY POPやJ-POPと言われるところからは明らかに漏れているけど、他にもいい音源はある」という、何ともおせっかいな気持ちがムクムク沸き上がりましてね。久々に「7インチ盤で聴く●●●」シリーズの一環としての意味もあり、「7インチ盤で聴くJ-ROCK」を特集してみようかというわけです。

1970年代80年代のJ-ROCKは結構ディープな世界でして、最初から悩みまくりの選曲となっておりますが、どうしても外せない音源というのはそれほどなく、「こんなん、あったね~」的なノリです。J-ROCKと言ってもジャパメタまで行くと、私は詳しくないので、極々有名な音源をいくつか取り上げるだけにしますが、案外境界線が曖昧で悩ましいわけなんです。まあ、とにかくYMOとか山下達郎、大瀧詠一あたりはCITY POP特集で扱っていただければいいわけで、ウチの番組でかけることもないかと思います。時々かけていますが、内心はこんなことを考えながらかけています。

今回はCITY POP的な楽曲を避けて…と考えたときに、「あれ、どうしよう。ムーンライト・サーファーはかけたいな…」となったわけです。曲調は実にポップで、ちょっと昭和の香りがする大好きな曲です。ところが、この曲、音的にはロックなのではという考えが昔からありました。80年代前半の楽しく大学生活を送っていた頃からそう考えていたんです。高山は21歳~25歳が大学時代の人間です。時々第三京浜にのって横浜方面に繰り出すわけですが、その頃のBGMはサザンとユーミンが定番、ところが高山のクルマだけは洋楽中心、ときどきあまりヒットもしていない邦楽がかかっているヘンなクルマだったわけです。その中の一曲がこれというわけです。

途中転調して、リズムがレゲエ的な裏打ちになるところが妙にロックなんです。ついでにシンプルなベースもロックだなと思っておりました。実際にCITY POP特集で石川セリさん、ほとんど出てきません。あの井上陽水大先生の奥方ですが、やっている音楽は実に個性的で好きな曲が何曲もあります。実を言うと、この曲、ローカル・ヒット的な要素も持っていたのでは、という部分も語りたくて選ぼうかと考えております。とにかく横浜ではいろいろなショップや飲食店のBGMでかかっているのに、東京ではほとんど耳にすることがなかったんです。数字的にはあまり売れてはおりません。でも80年代初頭の横浜横須賀界隈ではやたらと耳にしたわけです。目玉のマークのムーンアイズなんてこの曲を繰り返しかけていたように思います。

まあ、横浜、本牧繋がりで柳ジョージに続けたいわけです。この辺を語り始めたら独特の世界観があることの面白さもご紹介したいですね。また、いわゆるCITY POPブームの中で、自分の好きだった邦楽がスルーされている現状に納得がいかないというのもありますけどね…。

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