7インチ盤専門店雑記215「TRB」
好きでしたね~。あれほどシーンに熱く迎えられた新人っていましたかねぇ?まだファースト・アルバムがリリースされる前から大騒ぎでしたからね。ザ・ポリースやプリテンダーズもファーストから大騒ぎでしたが、上回っていたように記憶しております。如何せん「2-4-6-8 Motorway」が大ヒットした後にファースト・アルバムの制作に取りかかってますからねぇ。
とにかく、リーダーのトム・ロビンソンがゲイだということでいろいろ言われたわけですが、LGBTQに関して英国内でも状況はどれだけ改善されたか知りようもないのですが、個人的には全く興味もなければ差別する気もないので、どうでもいいかというところなんですけどね。音楽的な興味だけでとにかく夢中になっておりました。トム・ロビンソンはヴォーカルとベースを弾く人間でして、彼の個性がバンドのカラーを決めてしまったのが残念だったのかもしれません。
何が言いたいかというと、私が好きだったのは、ギタリストのダニー・カストウ君だったわけです。レス・ポール使いです。そして、ちょいと素人臭いというか、おそらくあまり上手くはない…。1978年頃のライヴ映像なんぞ観ると、下手かもですね…。トム・ロビンソン・バンド以外のキャリアは特筆すべきものなし…。バンドは1979年末には解散してしまいますし、1990年代に入った頃にはミュージシャンであることもやめてしまいますからね。
彼の思い切りのいいコード・ストロークは、レス・ポールの美味しいところをしっかり理解していたと思うんです。フリーのポール・コゾフが好きだったようですから、当然レス・ポールを使いますな。どうもストラトキャスターがあまり好きでない自分は、ちゅるちゅるリードを弾くようなタイプより、がしがしコード・ストロークで押してくる方が好みなんですわ…。
まあ、おそらくですが、ソングライターのトム君がダニー君が弾けるような曲を書いてくれたというところなんでしょうか。彼に合ったフレーズが満載のファースト・アルバムは大好きでしたね。…セカンドはイマイチでしたけどね。如何せん、ファースト・アルバム、英国盤はライヴ・アルバムつきでしたから、当然そちらを買いました。楽曲も充実しており、ホント、ハマりました。
パンクというほどの暴力的な衝動があるでなし、LGBTQの人権擁護的な政治的発言はあったとしても、やはり時代の徒花だったのでしょうか。40数年後には実を結んでおりますけどね。歌詞はまあおいといて、といった聴き方でしたが、懐かしさを煽られるシンプルなギターの魅力は色褪せておりません。
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