7インチ盤専門店雑記094「ブギ・ウギ・ピアノ」
時々突然聴きたくなるので、ずっとお店に置いてあるのですが、まあお客さんから聴かせてと言われることもないあたりです。でも自分なりに好きなので、もう少し広めたいなあと思っていて、時々は針を下すわけです。でも古い音源ですから、しょっちゅうという気にはなりません。…時々。
もう一枚、これも同じような扱いの盤です。古いニュー・オリンズもののコンピです。昔にお安く手に入れて、時々聴いています。他にもこの辺りの音源はいいコンピがあるかとも思いますが、盤の状態もよく、お店で鳴らすのに都合がいいという程度です。
でも何だかこういった古い音源を聴いていると、細かいことがどうでもよくなるようなところがあって、いいんですよ。新しい音源はもう少し真剣に音のバランスやら調整しながら聴いてしまいますが、このあたりの音源はどのみち低音がどうのというものでなし、安心して聞き流せるとでも申しましょうかね。これで意外に重宝しているんです。
ブギ・ウギ・ピアノといって思い出すのは、このドクター・ジョンとジュールズ・ホランドの「ブギ・ウギ・ツインズ」の動画なんですけど、これを観てしまうとしばらくは他の音楽が聴けなくなってしまうというか、この人たちの凄さに圧倒されてしまいます。どうしてレコード制作の企画にならなかったのかなと残念にもなってしまいます。
それで、観たあとに毎度ほかのブギ・ウギ・ピアノものを聴くと…。でもちょいと違うかもと思って終わってしまうんです。結局、自分にとってブギ・ウギ・ピアノって、この一曲なのかも知れません。詳しい方がいっぱいいらっしゃるジャンルでしょうから、私のような門外漢がとやかく言うべきではありませんが、現代でも十分に楽しめるものとして、もう少し大事にしなければいけないジャンルなんじゃないか、などと考えてしまうわけです。