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7インチ盤専門店雑記678「別テイク4:Children Of The Revolution」

1987年のトニー・ヴィスコンティ・リミックスに関しては、以前ラジオでもかけましたし、noteで記事にもしております。

この「Children Of The Revolution Tony Visconti '87 Remix」、音がいいんですよ。時期が時期ですから、アナログ最良の鳴りを聴かせます。イントロの入り方が違うだけで、こうも印象が変わるものでしょうか。それでも目の前で演奏しているようなリアリティがもの凄いレベルです。トニー・ヴィスコンティはT.Rexやデヴィッド・ボウイなどのプロデュースで有名な人物ですが、どういう理由でこの時代にこのリミックスをリリースしたのやら。自身のボックスセットが出るタイミングだったのですが、それだけなんですかね?巷ではグラムロックのカヴァーも散見されるようになり、再評価された時代でしたから、いいタイミングだったことは確かですけどね。

一方、ヘッダー写真のオリジナル7インチ・シングル、こちらもいい音で鳴りますが、比べてしまいますと若干籠ったように聴こえます。72年頃のこの手の音源は元々こんな音質なので、これでいい気もしますが、その辺が87年Remixがリアリティを持つように聴こえる原因でしょうか。

ご覧のとおり、ドーナツ盤ではありません。小穴です。英国原盤か何かですかね。リリース時期が近い「Solid Gold Easy Action」も小穴です。この辺のシングルはみんなアルバム未収録でしたから、7インチ・シングルがなんとなくおカネがかかっている豪華仕様になっております。そもそもレーベルもT.Rexオリジナルです。

この曲に関しては、面白いMVが存在します。T.Rex with Elton John & Ringo Starrでやっているんです。如何にも時代を感じさせるハデハデしいグラマラスな映像で微笑ましいです。サイケな残り香もあれば、この時代特有の退廃的な空気感も漂っています。これは同じ格好をして演奏させてみても、再現は不可能と思われる、時代の為せる業ではないでしょうか。…ジョン・レノンかハリー・ニルソンでも出てきそうですね。

この辺のアート感覚を目にするたび、もう少し前の時代のビート・ジェネレーション作家が饒舌に語っていたような感覚を思い出すんです。時代の最先端を突っ走っていたアーティストのテイストなんですかね。

この映像を観ると、リンゴ・スターの手首の強さがよくわかります。この人そんなにハードヒッターではなかったように思われますが、出てくる音はかなりインパクトがありますね。一層重心が下がったような印象になるのは彼のドラムスのせいでしょう。エルトン・ジョンの方は自分のフレーズを出してくるのではなく、合わせている印象ですが、でもさすがのタイム感です。マーク・ボランの演奏はまあまあかもしれませんが、エルトン・ジョンとリンゴ・スターって上手いんですねぇ。…見方が変わりました。

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