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7インチ盤専門店雑記888「Acid Jazz好き」

2020年代になってアシッド・ジャズがどうのという話題で文章を書くのも相当に好き者だと思いますが、やはりいまだによく聴くものではあります。ロニー・ジョーダン、インコグニート、ブラン・ニュー・ヘヴィーズ、コートニー・パインの4組は好きなんだなとあらためて思います。ジャミロクワイは実はそれほどではないのかもしれません。でもリクエストはよくいただきます。マット・ビアンコやマット・ビアンコのメンバーだったバーシアなどはアシッド・ジャズとは言いませんかね?80年代後半、ちょいとジャジーないい音を聴かせていたりしましたが、アシッド・ジャズと言ったかどうか…。一応店に置いてあったりしますが、あまり耳にする機会はありません。

自宅のレコードラックを眺めていると、インコグニートの12インチ・シングルがひょっこり出てきたりします。…エンドレスです。何時どこで購入したのか、全く憶えておりません。…困ったものです。

この辺の盤、ジャケット・アートも含め、妙に好きなんですよねぇ…。元々ポップアート好きですが、加えてタイポグラフィとかも気になるもので、Talkin' Loudのロゴとかも凄く好きなんです。色盲なので色味は語れませんが、配色も含め好きですねぇ…。ビジュアル・アートも上手い下手という次元の話ではなく、無難過ぎるくらいで破綻がなく、そこはかとなく時代も感じさせます。

12インチ盤独特のデザイン世界がありまして、LPのジャケット・アートと比べるとシンプルで、タイポグラフィカルな視認性のよさが中心にあります。ヘタするとジャケットがないものも多いわけで、そうなるとレーベル・デザインということになるのですが、つまるところ、LPのジャケットほどおカネも時間もかけられないという制約の中で作られたものという印象です。もう一つ、暗かったり眩しかったりするクラブの現場で、DJさんたちの視認性が確保できるようにそうしたのかなとも思います。

中古盤店で猛スピードで盤を漁っているとき、LPに混じって12インチが入っていると、瞬時にそのことが判るんです。これはLPではないぞということは、恐らく0.1秒程度で判断できていると思います。スティングやデヴィッド・ボウイといったアーティストは、12インチにも予算が割けるのか、比較的LPに近いデザイン・テイストだったりします。でもそういうったアーティストのLPはジャケットもよく知っておりますから、やはり12インチであることが即座に判ります。長年レコードを買い集め、レコ屋までやっている身としては、この辺の感覚が身についていることが自衛策でもあるわけです。

ブラン・ニュー・ヘヴィーズの「Dream On Dreamer」の12インチですが、穴あきジャケットで、しかもMix違いで6パターン収録です。他の曲は一切収録されておりません。こういった盤ってカフェのBGMにはし難いんです。結局同じ曲が繰り返し出てきますし、低音が出過ぎます。

カフェはクラブほど暗くはありませんし、瞬時にこの盤だと見分けがつきますが、かける機会は得られません。アシッド・ジャズのイベントでもやれば…という話ですね。アシッド・ジャズは大好きですが、なかなかかける機会がないというのも事実です。


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