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7インチ盤専門店雑記686「ドラマーのソロ?」
ポリスの非常にシャープなリズムを叩き出すドラマー、スチュワート・コープランドに関しては、ドラマーという枠をはるかに超えた活動をしている人ですから、安易に言及するのはちょいと憚られます。自分が知る限りでも、カーヴド・エアの2枚の他、ピーター・ガブリエル「So」やマイク・ラザフォード「Acting Very Strange」など50枚以上のアルバムに参加しておりますし、映像作品も多く関連しており、ポリスは彼の活動のごく一部を成しているに過ぎないと考えた方がよさそうです。
ヘッダー写真はポリスが現役で活動しているときにリリースしたソロと言うか、覆面アーティストとしてリリースしたクラーク・カント(ケント)「ミステリアス・デビュー」です。「Music Madness from the Kinetic Kid」という副題があるようです。スペルは英国盤はKent、日本盤はKantになっております。元は10インチですが、2曲追加して12インチで再度リリースしたものです。ここからは「Don't Care」という曲がヒットしております。
1985年にはアフリカへの巡礼の旅を記録した映像作品や「The Rhythmatist」というドラマーとしての自覚を強く意識させるアルバムもリリースしております。一方で80年代末には、スタンリー・クラーク等とAnimal Logicというバンドを結成してみたり、まあ多彩な活動歴を誇ります。
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彼の兄、マイルス・コープランドに関して、昨日も少々触れましたが、4人兄弟で、父親がCIAのエージェントだったということで、中東レバノンのベイルートやエジプトのカイロなどで少年時代を過ごしていますから、まあ多彩な音楽的背景も持っていそうです。兄マイルス・コープランドのレーベル、I.R.S.のロゴが好きで、以前2022年に一度Go-Go'sに絡めて記事にしております。…このオジサンのロゴ、この兄弟の生い立ちを考えると笑い話ではなくなります。
スチュワート・コープランドはI.R.S.から、1988年に「The Equalizer and Other Cliff Hangers」というアルバムをリリースしております。NO SPEAKというシリーズがありまして、このアルバムはNO SPEAK003です。パンク/ ニュー・ウェーブ系のレーベルのはずが、随分多彩なアーティストを抱えております。001 Pete Haycock、002 Wishbone Ash、003 Stewart Copeland、004 William Orbitとなっております。何とウィッシュボーン・アッシュまで出てきてしまいます。(昨日の記事のコメント欄でよっしーさんがご指摘なのはこの盤ですね)
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1988年のアナログ盤ですから、それなりにレアでしょう。個人的には超貴重盤扱いの一枚です。