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7インチ盤専門店雑記363「長尺曲」

ジャズはどうしても長い曲が多くなりますが、こういった「演奏」を聴かせるタイプの音楽が7インチ盤には向かないか、というとそんなこともないと思うんですけどね。以前から「7インチ盤で聴くジャズ」を何度も話題にしてきておりますが、マイルス・デイヴィスの「ソー・ホワット」だって7インチ盤になっているわけですし、33 1/3回転にすればこの程度の尺は行けるわけですよね。「7インチ盤シングルだと45回転だから音圧高め」という、オーディオ的な理由からはアウトの盤ですけどね。ところがこの盤がいい鳴りを聴かせるから、ことは簡単ではないわけですよ。

33 1/3回転ならLPの外周に置いてある方が情報量は多いということになります。では情報量の多さではなくて7インチ盤が有利な点は何か?…盤が小さい分、微振動の影響は受けにくいということがまず言えますね。サーフェスノイズが違ったタイプのノイズに聴こえるのは、この微振動のせいなのでしょう。オーディオ好きの皆さんは、スタビライザーなりで振動を最小限にする努力をするわけですよね。LPよりは半径が短い分、ソリなどにも強いはず…。一概には言えませんかね?でも重量盤LPには敵わないかもしれませんが、盤自体が振動を拾う要素がかなり低減できますよね。

サーフェスノイズの中には、微小レベルのハウリングだってあるんだと思います。振動吸収素材を貼りつけたりして、レコード・プレイヤーのアーム側の対策を施すことは一般的なのでしょうか?これをメディア側ではどうかというと、物理的には無いでしょうが、盤自体がハウるかどうかと想定する場面ではLPは不利ですよね…。オーディオ・エンジニアリングに関しては素人の考えですが、7インチ盤の方が振動やハウリングには強い気がするんですけど、どうなんでしょうね?実際に聴き比べてみると、この7インチ・シングル、ポツポツはありますが、凄くノイズが少ないのでそんなことを書きたくなったんですけどね。

「ソー・ホワット」に限らず、どんな曲でも同じことが言えるのかもしれませんけど、最近はYouTubeに動画が上がっていたりして、メディアに拘る必要もないのかなぁと思うことは多いんです。ただリリース直後にリアルタイムで聴いたわけでもないこういった音源は、懐かしさみたいなバイアスは無いわけで、唯一「Kind Of Blue」というアルバムで何百回と聴いてしまったために、「ソー・ホワット」の後に「フレディ・フリーローダー」~「ブルー・イン・グリーン」と出てくるのがデフォルトになってしまってましてね。9分半ほどの「ソー・ホワット」が短く感じてしまうんですよね。

バランスどりとかあるのかどうか知れませんけどね、マイルスのトランペットはあまり違うとは思えないんですよ。コルトレーンもビル・エヴァンスも同じ、…だけど、ポール・チェンバースがねぇ、一歩前に出てきているんですよ。ただでさえいい録音なのに、より鮮明に聴こえてしまう気がするんですよねぇ…。気のせいですかねぇ…。だから、何はともあれ、低音の鳴りの話なのかもしれませんね。高音はどうしてもスクラッチ・ノイズとかに気を逸らされてしまいますからねぇ…。

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