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7インチ盤専門店雑記258「小さな花」
シドニー・ベシェの「小さな花」です。ベシェはニュー・オリンズ出身のクラリネットやソプラノ・サックスの奏者です。原題「Petite Fleur」、これ、ザ・ピーナッツのデビュー曲「可愛い花」のオリジナルですね。邦題が2種あることで混乱するほどではないと思いますが、ザ・ピーナッツの他、クリス・バーバ―やアッカ―・ビルクは「可愛い花」、ベニー・グッドマンの楽団の番頭さんと言われたピーナッツ・ハッコーは「小さな花」でリリースされております。ペトゥラ・クラークやローランド・カークもカヴァーしておりますが、どちらか分かりません。…まあ、人気曲ですね。
この盤、1965年12月頃に発売された370円定価盤ですが、フランスのVogueの原盤ということです。1897年5月14日生まれのベシェは、戦前のニュー・オリンズ・ジャズを代表するアーティストですが、亡くなったのは1959年5月14日、昨日がバースデーであり命日でもありました。…一枚あったなと思い、針をおろしてみました。ザ・ピーナッツのデビューは1959年2月11日、大ヒットだったということですから、3か月後の5月頃はまだ売れていたのでしょうか。作者が亡くなったというニュースはどんなかたちで伝わったのやら…。
この方、1939年に設立されたブルーノート・レコードで「サマータイム」をレコーディングし、ブルーノートの最初のヒット曲となったなどという歴史的な逸話が数多あります。1949年にパリで開催されたジャズ・フェスティヴァルに出演し、大人気になってパリに移住してしまいます。当地でドイツ人のエリザベートさんと結婚するのですが、この曲はその愛妻に捧げられた曲なんだそうです。ま、ベシェ最大のヒット曲です。
評価されても差別を受けるアメリカに見切りをつけた一人なんですね。そんなことを考えながら、古雑誌のスキャンなどをしておりましたら、ニュー・オリンズ・ジャズの記事なども出てきて、ついつい読み耽ってしまいました。
まあ、雨の日曜日、仕込みをしながらまったりと、いい時間を過ごすことができました。
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後記:スミマセン、紛らわしい書き方だったようです。シドニー・ベシェ、LPは何枚か持ってます。最後のライヴ録音、ブラッセル万博とか、ベスト盤とか…。
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ちなみに古雑誌に載っていたのはユービー・ブレイクというピアニストです。