7インチ盤専門店雑記121「ジュディは恋人」
スティーヴ・ハーレー率いるコックニー・レベルのヒット曲です。もう忘れられたバンドなんでしょうか。最近では全然ラジオとかでかかることはないし、名前をウェブ等で見かけることもありませんね。何だか寂しいです。
彼らはグラムロックにカテゴライズされるものの、あまりグラム、グラムしておりません。何が言いたいかというと、ギタリストがいないバンドなんです。ヴァイオリンのジョン・クロッカーが時々マンドリンやアコギを手にする程度でして、エレクトリック・ギターを弾く人がいないわけです。グラムってギターロックというイメージが強いですからね。ちょいと色物的なステージなんかでグラムのイメージが定着しているんでしょうけど。結局男性がメイクして派手な衣装を着てやっているという程度の括りで、共通する音楽性や演奏スタイルなどがあるわけではありませんからねぇ。毎度「グラムロックとは」ということを考えさせられる連中というわけです。
この曲がヒットした1973年、自分はまだ中学生ですから、グラムとはなんて考えたことはありませんでしたが、ポップでメロディアスなこの曲は好きでした。「コックニー」という言葉の意味は調べたりして知ってはいたものの実感はなく、英国=貴族の国、イギリス人=英国紳士というステレオタイプなイメージしか持っておりませんでした。…さんざんグラムロックをやるイギリス人を見聞きして知っていたはずなんですけどね。
コックニーの語源が面白くて、ウィキなどでよく言われるものが紹介されています。「語源的に14世紀には雄鶏(コック)が生んだような形の悪い卵を指し、16世紀初めには都会育ちで本当の生活を知らない子を指したという。1600年にはBow Bells(ロンドンのシティにあるSt. Mary-le-Bow教会の鐘)の音が聞こえる範囲内で生まれ、余所に対する関心がない連中、との説明がなされた。」ということなんですけどね。広いのか狭いのかよく分かりませんな。
まあ、デイをダイと発音したりキープがケイプになったり、ちょっとした訛りなんですけどね。コックニーに関しては、コックニー・レベルよりもジョーディ(後にAC/DC)のブライアン・ジョンソンあたりの発音が参考になるかもしれません。ちなみにロンドンのしょーもない連中の存在を最初に意識したのはフーリガンと呼ばれる連中でしたね。「さらば青春の光」みたいな映画で、外国人はしょっちゅうケンカするんだなというイメージは持っておりましたけどねぇ。…わりとすぐに暴れますよね。
ヨーロッパの歴史なんて、結局のところ戦争の歴史ですからね。国境を接しているとああなるんですかね?…やだやだ。