7インチ盤専門店雑記438「ストーンズ・コレクター泣かせ…」
ここのところ、ビートルズ関連の発信が多かったので、たまにはローリング・ストーンズ関連で…。
イアン・ステュアート関連音源は、ローリング・ストーンズ・マニアにとっては難関ではないでしょうか。ストーンズ結成時のメンバーであり、6番目のストーンズとか言われながらも、あちこちでいい仕事を残しています。しかもローリング・ストーンズにとどまってないで出張ります。レッド・ツェッペリンの「ロックンロール」や「ブギ・ウィズ・ステュ」あたりは有名なところでしょうか。あとはヤードバーズの「ドリンキング・マディ・ウォーター」とかですかね…。
しょっちゅう喧嘩を始めるストーンズのメンバー間のまとめ役だったとも言われますが、彼が1985年に心臓発作で亡くなってからは、一時期ストーンズの人間関係が悪化したと言われますから、事実なんでしょうね。まあ周囲から愛されるいい人だったようです。彼の名前を冠したリーダー・アルバムはありません。でもアルバム・ジャケットに彼の名前が書かれているものも含め、貴重な音源はいくつかあります。
とにかく入手困難なものが多く、ストーンズ・マニア泣かせです。ストーンズはビートルズ関連、ポール・マッカートニー関連と比べると、マニアへのサービスが少ないので仕方ないのでしょうか。それでも高額で取引されるアナログ盤は少々恨めしくもあります。昔から高かったので、私もこの辺 ↓ は手をだしませんでした。ロケット88はチャーリー・ワッツやジャック・ブルースと一緒にやっているスーパー・セッション的な一枚です。Brian Knightの「A Dark Horse」はピーター・グリーンもいたりします。
ただし、一枚だけ、本人は演奏していないのに、イアン・ステュアート関連盤で酷いことになっているのが、ヘッダー写真の盤ベン・ウォーターズの「ブギ・フォー・ステュ Boogie 4 Stu」です。2011年リリースという時期的な問題もあるのでしょうが、アナログ盤は何万円かするようです。何故なら、ストーンズの面々が総出で参加しているからなんです。ミック・ジャガー、キース・リチャーズは納得、チャーリー・ワッツはイチバン仲がよかったようなので当然、ロン・ウッドも参加したことに加え、既に脱退していたビル・ワイマンまで参加しているんですね、これが。
久々にAmazonをチェックしてみたら、アナログ盤は売られておりませんが、CDも売切れのようで、中古CDが1万円とかいったお値段になっております。タイミングもあるのでしょうが、配信がどうの言う時代にこのお値段はいかんでしょ…。
私は、ストーンズ総出で参加しているなどということを知らず、「イアン・ステュアートへのトリビュート的なものなら好きかも、最低でもブギウギ・ピアノが聴ければいいや」程度の感覚で予約購入したもので、手に入りましたけどね。まあ、今となってはお店には置いておけない門外不出の貴重盤になってしまいました。それでも、「盤を減らそうとしている時にそんなことを言っていていいのか?」という自分もおりまして、少々悩ましいところなんです。さて、どうしたものか…。
アナログ・リリースが当たり前だった1980年代以前の盤と違い、21世紀にリリースされたものは、この辺りがややこしいことになってしまいます。当然ながらスタンパーがへたるのは21世紀でも同じですから、数量限定発売になってしまうのでしょう。しかもいまだにプレス環境は改善されずにパツパツとか、有名アーティストでも随分待たされるということですからねぇ…。
イアン・ステュアート関連は、亡くなった時期のせいもあって、アナログで出尽くしているんですよね。アナログに拘らずCDで構わないのであれば、ストーンズ・コレクターにとって拘って探すべき価値のあるものがいっぱいありますね。その中でも、ニュー・バーバリアンズの音源などは非常に面白いです。ロン・ウッド、キース・リチャーズ、スタンリー・クラーク、イアン・マクラガン、ボビー・キーズ、ジガブー・モデリストといったメンツを見ただけでも面白そうですし、個人的には内容も結構好きなので、ストーンズ関連音源の中では上位に評価するものです。
もう少しブルージーな音源では、ジョニー・ジョンソンやジミー・ロジャースあたりもおススメです。チャック・ベリーのバンドのピアニスト、「ジョニー・B・グッド」のモデルというジョニー・ジョンソン名義の「ジョニー・B・バッド」には、エリック・クラプトンやキース・リチャーズが参加しております。ジミー・ロジャースの方にはミック・ジャガーとキース・リチャーズが揃っていることに加え、ジミー・ペイジ、ロバート・プラントのツェッペリン組もおります。スティーヴン・スティルスやらエリック・クラプトンやら、なかなかに豪華なメンツで作られております。
他にも数えきれないほどの音源が、ストーンズ絡みのものとして自宅にありますから、少しずつ紹介していきましょうかね…。こうして見ると、ストーンズとツェッペリンは意外に近い存在だったりします。ジミー・ペイジがギターを弾いているストーンズの曲も複数ありますしね…。コレクターとかクレジット・オタクにとって、妙に面白い辺りなんですよね。息の長いバンドですから、そのこと自体が結局コレクター泣かせだったりするんですけどね…。まあ、その分楽しめると思うべきですね。