7インチ盤専門店雑記624「OLDER GUYS」
今朝ほどアップしたアンクル・テュペロのシングル・ボックスの話には続きがありまして、せっかくですから書いておきます。件のシングル・ボックスと一緒に仕舞ってある盤にクリス・ロビンソン・ブラザーフッド(CRB)の2013年のシングル「OLDER GUYS」があります。2012年のアルバム「The Magic Door」のジャケット・イラストの真ん中にいる太陽が大きく描かれたスリーヴです。
このジャケット、Alan Forbesというサン・フランシスコのアーティストが描いております。他にもブラック・クロウズやQueen Of The Stone Ageなどのアートワークを手掛けております。いかにもシスコというか、もっと言えばヒッピー・ムーブメントやサマー・オブ・ラヴ、フラワー・チルドレンといった匂いがします。…実はこの手のアートワークも嫌いではないので、CRBはアナログレコードでとなりました。そもそもブラック・クロウズのヴォーカリストのソロ・プロジェクトです。ブラック・クロウズも90年代00年代といった時期に可能な限りアナログレコードで聴いてきたバンドです。このアートワークへのこだわりは嬉しかったです。
とにかく、CRBのファースト「Big Moon Ritual」のアートワークが素晴らしくて、LPでないとと思ったわけです。2012年6月リリースでした。2012年9月にはセカンド・アルバム「The Magic Door」が続けてリリースされます。要はファースト録音時の残り物音源でした。ブラック・クロウズの活動ができなかったので、アイデアが溜まっておりましたかね…。
翌年リリースのライヴ盤もいい感じでした。ただしアナログですと4枚組になります。装丁も豪華となると、お値段も相当です。…待て待て、となりますな。
さてそのアイデアが溢れていた「Big Moon Ritual」セッション時、ヘッダーの7インチ盤の音源「Older Guys」/「That's How Strong My Love Is」も録音されております。「Older Guys」…オッサンたち、これフライング・ブリトー・ブラザーズの曲ですよね。「Burrito Deluxe」のB面1曲目のあの曲のカヴァーですね。1本前の記事で、あまり好きではないということを書きましたけどね…。どうもルーツ的にはその辺に行き着くことが多くて、何でかなぁとなります。まあ、コレクションとして持ってますけど、聴くものでもないので、自宅の余剰ボックスにまとめて放り込んだままというわけです。
ちなみに、B面の「That's How Strong My Love Is」はサザン・ソウルのO.V.ライトがオリジナルですね。オーティス・レディングやらローリング・ストーンズやらハンブル・パイなどという辺りがカヴァーしている有名曲ですね。このシングル、このAB面の対比とかコンビネーションがいいということも言えます。今のルーツ・ロック系のアーティストのルーツにあるのは、カントリー・ロックだったり、サザン・ソウルだったりということで、そんなことを考える素材としては面白い一枚かと思います。ただ前述のとおり、あまり好みではない部分もあるので、同じアーティストでも好きな曲だけ聴いている次第です。
さらにちなみに十数年ぶりに復活したブラック・クロウズの最新盤「Happiness Bastards」のジャケットは、手抜き感満載で、思い切り脱力感を伴います。…中身はいいんですけどねぇ、マッタク。
まあカヴァーもねぇ…、リスペクトを込めたカヴァーもあれば、アルバムのスペース埋めに昔聴き馴染んだ曲をちょちょっと入れておく程度のものもあるので、一概には言えないでしょうけどね…。