見出し画像

7インチ盤専門店雑記694「ロキシー・ミュージック」

ロキシー・ミュージック、どうも苦手です。先般、よっしーさんがロキシーについて書いていらっしゃいまして、やはり手放しでは褒めていないのですが、いろいろ考えさせられる文章で、何度か繰り返し読んでしまいました。

よっしーさん曰く、「何だか得体のしれないバンドというイメージ」「捉え所がなく取っ付きづらい印象」「ブライアン・フェリーがダンディだとは一度も思ったことはない」「ブライアン・フェリーって気の抜けたような歌い方」…まったくもって、すべて同感です。ただ私はここで題材となっている「Siren」に至っては全く受け付けないに近いほど苦手でして、どうもその美的センスが相入れない最大の要因のようなんです。それでもロキシーは、世間一般的には、耽美、ダンディズム、妖艶美…いろいろと評価される方も多いわけです。

実を言うと、私の場合100%否定ではなくて、95%程度は苦手、でも残る5%、唯一「アヴァロン」だけは大好きなんです。もっと言えば「アヴァロン」と「モア・ザン・ディス」2曲だけ大好きなんです。そこが何とも悲しい所以で、コレクター的性格もありまして、ロキシー・ミュージックのアルバムはほぼ揃えてありましたが、どんどん旅立っております。そういう意味では、意外と人気があるんですね。


オネエサンたちの必要性もあまり感じないのですが…

エロ過ぎてオネエサンたちが消されてしまった盤まで持っておりますが、この辺は再発重量盤とかでないと、なかなかいいものが入手できません。もう諦めたといったところです。

消された後のジャケットは笑い話以外の何物でもありませんね
(画像はウェブからお借りしました)

加えて、7インチ盤専門店的な話題ですが、ロキシー・ミュージックは1980年12月8日にジョン・レノンが射殺された翌日、ドイツのテレビに出演して「ジェラス・ガイ」のカヴァーを演奏し、これが好評を博したもので、ちゃんと録音して翌年2月にシングルとしてリリースします。これが何だかジョン・レノンの追悼的な音源の中でも結構気に入っておりまして、少し評価ポイントを上げております。一応アルバム未収録です。

もう一枚、大好きな映画「タイムズ・スクエア」に提供された「セイム・オールド・シーン」という曲がありまして、これのシングル盤も大事にしておりました。…これは映画が好きというだけです。

強いて言うならもう一つ、ロキシー・ミュージックやブライアン・フェリーに関して、気になる音源があります。YouTubeに載っている動画なのですが、日本のテレビ番組「Young Music Show」で放映されたという「Bryan Ferry Live In Tokyo 1977」というものがあります。

よっしーさんがおっしゃるように、気の抜けたような歌い方のブライアン・フェリーにイラッとさせられるのですが、問題はこのライヴの音でして、これPCで視聴したときには「あー、このヴォーカルじゃなければねぇ」とか言っていたのですが、先日店のスクリーンに映しながら観てみたのです。これで印象が思い切り変わってしまったんです。要はしっかり低音が出る店のスピーカーから出てきた音が図太くて、「おや、おやおや、誰このベース…」となってしまったんです。番組の冒頭部分も妙に格好良いです。

ジョン・ウェットンなんですけどね。ギターはクリス・スぺディングとフィル・マンザネラなんですけど、そこはまあ置いといて、ここでのジョン・ウェットンのベースが何だかいいんですよ。結果として、そんなに毛嫌いするほどでもないのかなというところに落ち着いているんですけどね。


いいなと思ったら応援しよう!