7インチ盤専門店雑記453「超難関ジョニー・ウィンター」
先般、ご贔屓筋のよっしーさんの文章で、久々ジョニー・ウィンターの名前を目にしました。…ジョニー・ウィンター、ハマりましたねぇ。
中学生の頃、エドガー・ウィンター・グループの「フランケンシュタイン」と「フリー・ライド」が立て続けにヒットし、特にFENでヘヴィロテで流されていた「フリー・ライド」が大好きでした。さらにリック・デリンジャーの「ロックンロール・フーチー・クー」も大好きで、いろいろ調べて行き着いたウィンター・ファミリーが好みだということは判っておりました。
そして、エドガー・ウィンター・グループで当時ギターを弾いていたのがモントローズのロニー・モントローズと知るに至って、この辺の人脈のレコードは可能な限り買うという態勢になりました。その結果、ジョニー・ウィンターをラスボス的に知ったわけです。ジョニー・ウィンターの入口がフツーではないかもしれません。でも当時の音楽好きな中学生の情報量からすると、こうなってもおかしくないと思います。
ジョニー・ウィンターを頑張って集め始めたのは80年代後半ですから、かなり遅いわけですが、この時期はスティーヴィー・レイ・ヴォーンにハマっておりましたから、テキサス・ブルースマンの先輩として敬意を表してコツコツ状態のいいものを買って行ったわけです。
ところが、ところがなんですよ。いろいろな資料に出てくるオリジナル・アルバムはなかなか状態のいいものが手に入らないし、資料に出てこないアルバムはいっぱいあるし、文字通り混乱しました。ウェブの時代になってもさほど状況は改善されていない印象です。かなりの枚数のアルバムを買い集め、実物が手元にあるものの、Wikipediaのデータと照らし合わせても、毎度投げ出してしまいます。
100万ドルのギタリストとしてコロムビアと契約する前、Sonobeatというマイナー・レーベルから「The Progressive Blues Experiment」というアルバムをリリースしております。マイナー・レーベルですが、これがメジャー・デビュー・アルバムということですよね??この盤は何度か見かけたことがありますが、お高くて手が出ませんでした。ところがこれが別タイトルで出ているんです。…というか、持ってましたというマヌケなことになりました。
「オースティン・テキサス」というアルバムは「The Progressive~」と同一内容の再発盤です。オリジナルに拘らない方はこちらで十分でしょう。相場は10倍以上の開きがありますが、どちらもレアです。「オースティン・テキサス」の方も実は滅多に見かけません。そもそもヒット・シングルがあるようなアーティストではありませんから、中古盤市場での玉数はかなり少ないのです。そんなわけで、コレクター心をくすぐられつつ、これが超難関というわけです。
漏れ漏れのWikipediaを恨めしく眺めながら、ナンジャラホイという気分を盛り上げるマイナーなレーベルの音源で、まず要注意は「Early Winter」です。どうせ「The Progressive〜」と同一内容だろうと思っていたら、実はさらにその前、メジャー・デビュー前の貴重音源集でした。
「Out Of Sight」や「Ready For Winter」はいかにも80sなテイストのジャケットですが、結構気に入っている音源だったりします。…そもそも、ジョニー・ウィンターのマイ・ベストは「Winter Of '88」という、御本人からポップ過ぎと嫌われていたアルバムだったりします。
そんなわけで、エドガー・ウィンターやリック・デリンジャーのマイナーな盤まで集めてありますが、カフェでは全くリクエストが入ることはなし、自宅のレコード・ラックでかなり場所をとる一群となっております。…別に好きで集めたものですから、問題ないんですけどね。