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7インチ盤専門店雑記330「ロクサーヌ」
聴き比べについて書き始めると、実はキリがない人間です。いろいろ聴き比べしたい音源がありまして、以前にシカゴの「長い夜」のアルバム・ヴァージョン、ワールド・ワイド・リリースのシングル・ヴァージョン、国内盤シングル・ヴァージョンが全然違うものだったということも書いたりしました。こういう聴き比べをしている時って、傍から見ると同じ曲を繰り返し聴きながらブツブツ言ったりしているわけで、「とうとうおかしくなった」と思われそうな様相なんですよね…。
まあ、そんなわけで、ザ・ポリスの「ロクサーヌ」、英国オリジナル盤がありまして、A&Mですから、当然のようにいい音です。スカスカのポリスらしい、音の隙間を楽しめます。空間的な広がりも満足がいくものです。シャープなギターのカッティングも含め、高音も余裕の鳴り、これ以上何を望むかといった印象の盤です。
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一方2018年にリリースされたリマスター盤、市場に出回っている枚数が恐ろしく少ない「ロクサーヌ」ですから、実に有り難い再発でした。
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しかしねぇ、この再発盤、LPみたいに厚手の紙ジャケで一回り大きいんです。シングル盤のボックスに入れておいても少しだけ飛び出しています。こういうの、実はあまり好きではありません。売りボックスにいれておいてもやたらと目立つのが気に入らないうえに、少しとびだしていると傷み易いんです。だからストック箱にしまってあります。その際にも、箱の端っこの方に入れておかないと傷み易いわけで、やたらと気をつかいます。プチイラ盤です。でもねぇ、オリジナル盤でこれ以上何を望むかと思う曲が、さすがの鳴りで再生されるんですよ、コノヤロー。
ところで、当然「国内盤はどうなのか」と考えてしまいますが、持ってません。長年探しておりましたが、現物を見たことすらありません。デビューしたてのパンキッシュな無名のニューウェイヴ・バンド、そんなに多くプレスしてもらえなかったのでしょう。「孤独のメッセージ」をはじめ、他のシングルがかなりいい音で鳴るので、気にはなりますよね。A&M、やることはやりますな。
やはり「7インチ盤で聴く優良録音」と銘打つイベントをやるからには、1時間くらいは聴き比べでもいいですよね…!?…30分かな…。45分…!?…30分かな、やっぱり。
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