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7インチ盤専門店雑記864「見本盤の楽しみ方」
グレン・フライの1986年の大ヒット曲「ユー・ビロング・トゥ・ザ・シティ」ですが、まあよく売れます。先週も一枚売れました。元々余剰在庫ネタの代表でしたが、やっと残り少なくなってきました。お人好し過ぎるか、ウチの場合、状態のいいものから出荷しますので、ギリギリ売り物になるかという状態の1枚を含め、残り3枚まできました。
ただそのうちの一枚が見本盤でして、これがちょいと面白い盤なんです。何故なら、専用スリーヴが付いており、レーベルにはまだ情報があまり載っていない状態の初期盤なんです。
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東芝さんは見本盤専用デザインのスリーヴがあるので別に珍しくもないのですが、ワーナーさんの場合、一般的な盤と同じものが多いので、どうしても目を引きます。
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スリーヴに関しては、裏面も専用のものになっておりまして、余程売り込みに力が入っていたのかなと思わせるものです。まあマイアミ・ヴァイス・ヴァージョンといったデザインになっております。
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ワーナーさんの見本盤のレーベル・デザインが変遷したことは、フォリナーを例に一度記事にしましたが、昔は白レーベルだったんですよねぇ…。スリーヴに関しては、失われている場合もあったりで、詳しいことは語りようもないんですけどね。
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まあ見本盤のレーベル・デザインも進化しているわけですよ。
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70年代は白レーベルと言われる通り、白かったですね。ロゴもワーナーのものだけです。
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80年代の例としてジミー・ペイジのシングル盤を見ると…いずれもワーナー系ですけど、発売日の情報が入っているのは有り難いんですよねぇ…。そして80年代になるとちゃんとSwan SongやGeffenのロゴとかを刷り込んでありますねぇ…。ま、本当はARの担当者が手書きで作ったスリーヴ付きのものもあるのですが、こういうところで披露すべきものでもありませんしねぇ…。ちなみにジミー・ペイジの2枚、スリーヴは通常盤と同じものでした。
見本盤の場合、カップリングが違うこともありまして、「ユー・ビロング・トゥ・ザ・シティ」の場合、裏面はLPヴァージョンだったりします。このように両面ともA面の曲が入っている場合もあります。
80年代だともうMONO需要がなくて、ラジオ局用の Stereo/Mono Sampler はあまり見なくなってしまいます。両面とも同じ曲が入っているにしてもステレオとモノラルのカップリングになっている盤です。今となってはオーディオ趣味的にも、Stereo/Mono Sampler の方が面白いかもしれませんね。売り物ではありませんが、好きな曲の盤は結構集めてあります。こういう売り物にならない盤を披露しても詮無い話ですが、好きな曲に対する歪んだ方向性の注力は、ほどほどにというヤツですね。
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何だか微妙に話しが逸れましたが、「ユー・ビロング・トゥ・ザ・シティ」の見本盤、めちゃくちゃしっかり作ってあって、一見の価値はありますぜというお話でした。