7インチ盤専門店雑記077「クラシックも聴きますけど…」
19329251982105、まだ何も見なくても書けますね。1932年9月25日生まれ、1982年10月5日没、天才ピアニスト、グレン・グールドのことです。今年は生誕90年、没後40年のメモリアル・イヤーでして、イヴェントも盛りだくさん、今週あたりはラジオでも「ゴルトベルク変奏曲」あたりがいっぱいかかっております。昨日は、ウチのお店でも一日グレン・グールドのピアノが流れておりました。
高山はクラシックを全く聴かないわけではありません。少しだけ、音数の少ないものは結構好んで聴きます。古楽はとくに好きだったりします。PCのiTunesには300枚弱のクラシックのアルバムも入っていたりします。グレン・グールドがきっかけなんです。2枚の「ゴルトベルク変奏曲」を聴き比べてみたあたりが始めでした。とりわけ、2010年前後の数年間、マルタ・アルゲリッチとエレーヌ・グリモーという両極に近い2人のピアニストを集中的に聴きまくりました。
そんな時期、非常に人気があったのがフランチェスコ・トリスターノ・シュリメというお兄さんでして、これがまたクラシックに拘らず、デトロイト・テクノあたりとクロスオーバーするので面白かったんです。ホント、聴きまくりました。まあその時期、テクノも結構聴いていたように思います。トレゾアのコンピとか狂ったようにヘヴィローテで聴いてましたね…、という気がします。
私は2011年6月に狭心症で倒れまして、まあ不整脈をはじめ、いろいろ出てしまいました。2013年にも再度倒れますが、その前後、少し脳が酸欠になったか、記憶野がおかしなことになってしまいまして、いろいろなことが思い出せなくなった反面、昔のことはやたらと鮮明に思い出すという、気持ち悪い経験をしました。いまだにしております。その頃から音楽的にも懐古趣味が強まってしまうんですけどね。
昨日、グールドのCD音源を10枚分ほど聴いてしまいまして、懐かしかったりもしたのですが、やはり2010年代の記憶はかなり失われているか、まだら模様みたいな状態で、フランチェスコ・トリスターノ君の音の記憶も全く蘇ってきませんでした。気になるので少し聴いてみたのですが、聴いたような聴いてないような、不思議な気分になってしまいました。帰宅してからも残してあるCDを眺めてみたり、いろいろ試したのですが、どうもあきまへん。アリス=沙良・オットさんと一緒にやった「スキャンダル」というアルバムは随分聴いたはずなのですが、初めて聴くような感覚だったので、何も残っていないんでしょう。困ったものです。
でもヘッダー写真のように、自宅にあったのはクラシック系のものばかりでして、テクノ系を生ピアノで再現してみせた盤とかは、よくよく考えたらアナログでして、お店を始めた頃もよく聴いておりました。それでもやはり、記憶は薄れてしまっているようです。しょうがない、少しずつ聴き直してみますかね。かなりハマって聴いていた記憶というか感触だけはあるので、今から聴き直してもおそらく楽しめるのではないかと思うわけです。
今更ですが、ブリアルとかのポスト・ダブステップも聴き狂ったはずなんですけど、やはりロクに思い出せません。その辺につながりがあるのかどうか、探ってみるのも面白そうです。…ちなみに、別人格が出てくるのではという不安もなきにしもあらず、実に不思議な体験でもあります。
それから、写真を掲載してみて思うのですが、ドイッチェ・グラモフォンのイエロー・レーベルがあちこちに散見されますな。あの時代、スティングなんかもドイッチェ・グラモフォンだったし、攻めてましたねぇ。そういえば、誰かにあげちゃったけど、ドイッチェ・グラモフォンの100枚組CDボックスとか買って勉強していたような記憶が…。思い出せそうで思い出せない辺りです。まったく、困ったものです。