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7インチ盤専門店雑記875「The Great Fatsby」

マウンテンのギタリスト、レスリー・ウエストが1975年にリリースした「The Great Fatsby」です。グレート・ギャツビーとデブのファットを掛け合わせましたかね。マウンテン時代はただのおデブという感じでしたが、その後West, Bruce & Laing(WBL)あたりからは、なかなか品のないおデブというキャラで売っておりました。しょうもないキャラですが、彼の歪んだギター・サウンドが好きな方も多いのか、それなりに忘れられない存在ではあります。

ただWBLのアルバムなどは、知名度はあっても、売れておりませんから、レコード盤はレアという気もします。アメリカン・ロックの一翼として、マウンテンというバンドはいまだに名前が出ますが、ではしっかりアルバムで聴いている方がどれだけいらっしゃるかですよね。話題を振ってもまず反応は得られません。私はどうかというと、アルバムに1~2曲、好きな曲があって…という程度ですかね。大好きというほどでもありません。マウンテンで言えば、「ミシシッピー・クイーン」と「想像されたウェスタンのテーマ」あたりはシングル盤も買いましたし、他にないタイプのギターだなとは思います。

さて、「The Great Fatsby」は面白いカヴァーが収録されております。「朝日のあたる家」あたりはご愛敬ですが、ローリング・ストーンズの「ホンキ―・トンク・ウィメン」は真面目にやっているようです。それなりに個性的なギターで上手く仕上げております。

そしてストーンズに関しては、この盤にミック・ジャガーがギターで参加しているというマニアックなネタもあります。スタジオでのセッション音源なのか、「High Roller」という曲をやっていて、作者はMick Jagger, Keith Richards, Leslie West, Corky Laing, Sandra Palmerという連名クレジットになっております。どこかで聴いたことがあるような、安っぽい曲ですが、キャラにはハマっておりますかね…。

Sandra Palmerはあのゴルファーじゃないですよね。調べても出てきませんが、スタジオにいた女の子か何かですかね。ちなみにアルバムに写っている女性はDana Valeryというシンガーです。60年代初頭からテレビの方が活動の中心だった人のようです。

アルバム終盤はフリー寄りに行きます。アンディ・フレイザーがシャークス時代に作った「Doctor Love」などは曲としてはよくできていると思います。ただヴォーカルはウルサくてイマイチかも。またフリーの「Little Bit Of Love」もカヴァーしております。このカヴァーはいいですねぇ。

そして面白いところでは、ティム・ハーディンの「If I Were A Carpenter」もあります。ウッドストックでの名唱で有名な曲とか言いますが、やたらとカヴァーされます。正直なところ、それほどいい曲かなと不思議に思いますが、いくつか聴いたカヴァーの中では自分はこのレスリー・ウエストのカヴァーがイチバンよろしいかと思うんです。

ジョニー・キャッシュ、フォー・トップス、ロバート・プラント、ボブ・シ―ガ―、レオン・ラッセルといったあたりのカヴァーが有名でしょうか。…恐らくもっとあると思います。レオン・ラッセルなんぞ、シングル・カットもしております。聴き比べてみると面白いです。

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