
7インチ盤専門店雑記914「ドミニク・トロイア―ノ期」
大好きなギタリスト、ジョー・ウォルシュとトミー・ボーリンが在籍していたジェームス・ギャングですが、もう一人ドミニク・トロイアーノもおりました。イタリア系カナダ人ですが、しっかりアメリカンな音を聴かせまして、他にヒット曲や目立った活動がないので最も地味な存在ですが、結構いいギタリストです。…
マンダラとかブッシュとか、売れなくなってからのゲス・フーとかですからねぇ…。
マンダラとかブッシュって、昔はいくら調べてもなかなか情報が得られませんでした。…シンフォニー・ロックのマンダラバンドではありませんよ。いつも彼の関連で調べるもので、必ず一緒に例示されていて、いつの間にか勘違いしてマンダラ・ブッシュというバンドがあるのかと思っていた時期もありました。…実はつい先日まで。
そもそもジェームス・ギャング自体、日本ではマイナーですよねぇ…。ヤードバーズやフリートウッド・マックのように、ギタリストがポコポコかわるバンドってありますけど、ジェームス・ギャングもベースのデイル・ピータースとドラムスのジム・フォックスがリズム隊で頑張っておりました、…って言われてもねぇ、地味ですよねぇ…。勝手に「悪い人じゃないんだけどねぇ…」とか言いたくなってしまいます。…失礼。バンド末期、よく知らないフロントマンを立ててからも2枚のアルバムをリリースしますが、まあトミー・ボーリン期の「Miami」まででいいでしょ…。
困ったことに、このバンドが好きなんですよねぇ…。ジョー・ウォルシュ期の「James Gaing Rides Again」と「Thirds」の2枚は特に好きでしたねぇ…。シングルで「Funk # 49」とか「Walk Away」とかありますからねぇ…。トミー・ボーリン期の「Miami」も、以前やっていたラジオ番組で特集とかやって、何曲かかけてしまうくらいに好きなアルバムです。フロントマンが替わりますから、通底する音があるかというと微妙ですが、結構ウルサイんです。なかなかにロックしているんですよね。ヘッダー写真の「ルッキン・フォー・マイ・レディー」も結構ウルサイです。曲の面白さはまあまあですが、時代の音ではあります。
何はともあれ、当時人気だったブリティッシュ・ロックとは別物です。ブリティッシュ・ロック寄りの音とかも言われますが、やはり北米大陸の音です。デイル・ピータースのベースは、リフレイン中心のシンプルなものですが、耳馴染みの良い聴き易いフレーズが多いので、案外その辺が個性になっているのでしょうか。同盤からのもう一つのシングル「マッドネス」も同様かと思われます。そして、日本での人気のなさは相当で、7インチ・シングルは特にレアなんです。レアなのはどの時期も共通で、「プロモーションとかちゃんとやってもらえたのかなぁ…」と思わなくもないです。
そのマイナー加減が何とも愛しいわけで、コレクターというのも難儀なものです。