NUDGE 実践 行動経済学 完全版 で簡単が重要だというお話。
Q?:一番、印象的な一文とは?
A?:人に何かをするようにうながしたいのであれば、それを簡単にできるようにすること。
NUDGE 実践 行動経済学 完全版
リチャード・セイラー、キャス・サンスティーン
を読みました。
ナッジ(nudge)に関しては少し学んだことがあり、
行動を起こしやすいように少し背中を押すこと
というように理解していました。
その後、ナッジに関連して、スラッジ(sludge)という知らない単語が出てきました。
両著者によって書かれた2008年版を読んでいなかったこともあり、完全版を読むことにしました。
この一文がなぜ印象的なのか?
自分自身が実感していることだからです。
自分自身に対しても、他の人に対しても。
153ページにこんな一文もあります。
こういった人間にナッジをすることは重要だと思います。
ナッジとは、次のように定義されています。
人々の行動を予測可能なかたちで変えること
ナッジに関しては生命保険のCMで聞いたことがある人もいると多います。
保険会社にとって望ましい行動を促すために、ナッジという言葉を使っています。
保険の内容には一切触れていませんが、ナッジをわかりやすく簡単に説明していると思います。
この一文はどういうことなのか?
先ほどの引用文に対応して書くと以下のようになります。
注意力にかぎりがある人間には、簡単に気がつける方が良い
惰性に陥りやすい人間には、簡単に変えられる方が良い
先延ばしにする人間には、簡単に行動できる方が良い
手間のかかること、手数が多いことは避けるのが人間です。
そういったことを取り除いて、簡単にすることが重要ということです。
スラッジとはナッジの裏返し。
ある行動をしてほしくないなら、障害を増やして、やりにくくすること
ナッジの悪用とも言えます。
身近な例でいれば、サブスクリプションサービスの加入は簡単だけれど、解約方法は探さないと見つからないといったことです。
補助制度などでも、制度が広く知られていなく、自分がその対象になるのかわかりにくく、申請方法が複雑といったこともスラッジの一例といえます。
では、どうするか?
促されたり、気付いたりしたら、まずは行動する。
行動しながら、その是非、効果を考える。
そして必要なら行動を止める。
簡単にできそうならやってみるのが良い、というのが私の考え方です。
ただやってみて、このままやり続けていいのか?、もっと効果的な方法はないか?、など常に考えます。
行動と思考を並行させていきます。
その上で、場合によっては止めるという判断も辞しません。
惰性で続けてしまうのならば、止めるという変更も必要というわけです。
私にとって選択肢は必須。
そんな今日この頃。