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経済安全保障 異形の大国、中国を直視せよ で中国を理解しようとしたお話。
Q?:中国の目的って、何?
A?:中華民族が覇権を握ること。
経済安全保障 異形の大国、中国を直視せよ
北村滋、大薮剛史
を読みました。
主題は経済安全保障とは、どういうものか?、なぜ大切なのか?、という本です。
COVID-19やロシアのウクライナ侵攻で、その重要性は十分に知られるようになったと思います。
また日本は「スパイ天国」と言われて久しいです。
こういった問題に対処してきた、そして対処するための術を策定してきたのが、作者の北村滋です。
全8章のうち1〜6章は、大薮剛史のインタビューに答える形で語られています。
そして7〜8章は、中国の戦略的思考に関する歴史的背景の分析、中国が如何なる未来を指向しているかの分析が、北村滋自身が書き下ろしています。
この7〜8章がとても需要だと感じました。
中華民族が覇権を握るとは、どういうことか?
これは中国が「天恵を得た国」と自身が語っている、清朝以来の大国になることを意味しています。
現在、経済規模こそ大きくなった中国ですが、覇権を握るまでには至っていません。
これは、国際ルールに準拠していない部分が多くあるからです。
このため、中国は国際ルールを作る側に回ることを狙っています。
多くの国際機関に人員を配していることからも明確になっていると思います。
最終的な目標は、社会主義現代国家の完成です。
社会主義とは「生産力を解放し、国力を増強、国民生活を向上させる」ことです。
共同富裕、「国全体の富を国家権力を通して再分配すること」とも言えます。
中華民族が覇権を握るのは、なぜなのか?
清朝以降の「中国が虐げられる時代」からの復興のためです。
中国が虐げられる時代とは、アヘン戦争や太平天国の乱に始まり、満州事変、日中戦争に至る暗転です。
中国の夢、強大な軍事力の形成。
中華民族の偉大な復興、「一度失われた」領土や国威の回復。
この2点で大きく語られています。
また、社会主義現代国家として、民主主義国家からの干渉を避けるため。
中国共産との一党支配という権威主義を永続させるため。
といった目的もあると考えられます。
中華民族が覇権を握るために、なにをしているのか?
巨大な経済圏構想である「一帯一路」によって、周辺地域を経済的な支配下に治めていきます。
また、レアアースの産地であることや世界的な半導体工場であることを生かして、サプライチェーンをコントロールしようとしています。報復的に、利用されることも多いです。
そして軍事力の形成も怠っていません。
特に海洋進出、九段線と呼ばれる地域を設定し、その内側の領有権を主張しています。
国際法上有効ではないにもかかわらず、人工島の作成、軍事拠点化を進めています。
民主主義国家として、日本が中国と対抗していくには、米国との協調が欠かせません。
そのためにも、経済安全保障に関する術に長けていく必要があるということです。
ここいらへんの考え方も、とても参考になる。
異例の3期目の先にあるものはなんだろう?
そんな今日この頃。
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