総合スーパーの興亡 で目的を忘れないことが重要だと再認識したお話。
Q?:一番、心に残った一文とは?
A?:「事業欲と性欲は持って生まれたものだから抑えがたい」という井植蔵男さん(元三洋電気会長)の事業性欲論を貫いた。
186ページ、中谷㓛さんの言葉です。
総合スーパーの興亡
三科和広+三品ゼミ
を読みました。
地方地域にもよると思いますが、
ダイエー
ヨーカ堂
ジャスコ(イオン)
というスーパーは馴染み深いのではないでしょうか?
少なくとも私は幼い頃から現在まで、様々な形でお世話になっています。
そんな総合スーパーについて経営戦略から読み解いた、2011年3月発売の本です。
どういう意味の一文か?
人間の三代欲求(食欲、睡眠欲、性欲)と事業欲を同一視している。
ここに事業欲の抗えない強さが現れていると思っています。
事業欲をどのように定義するのかは、人それぞれでしょう。
それを三大欲求と同一視することで、抑えられないのは当然、従うのは当たり前。
つまり、正しいことなんだという中内㓛さんの考えが端的に現れていると思います。
なぜ、心に残った?
三大欲求と事業欲を同一視することで、欲に従うことを是とした中内㓛さん。
安く売るための手段だった拡大が、そのまま目的となってしまった。
つまり手段の目的が起きてしまった。
欲求に従ったことによる、倒産という致命的な失敗。
こんな流れが説明できるからです(非常に事後合理的ですが)
どうする?
普段の業務でも、目的を忘れて「ただこなす」だけになる。
手段の目的化は、簡単に起きてしまいます。
そんなことにならないように、目的を忘れないようにします。
具体的な行動は簡単。
目的を書くことです。
書いた目的を資料などと一緒に持ち歩いてもいいし、
普段使うノートの必ず見るページに書いておくのも良いと思います。
とにかく目にする機会を多くするようにすることです。
すると自然と意識し、忘れたり取り違えたりすることはなくなっていきます。
そのほか諸々
この本の概観する
非常にまとめやすい構成・内容だったので、各社の特徴も「紙1枚」にまとめました。
私と総合スーパー
幼少期の買い物は、いわゆる商店街や地場スーパーが多かったと思います。
その中でダイエーは、市の中心部にあり他の百貨店と同様、少し特別な存在でした。
今のロゴよりも
二代目のロゴの方が馴染み深いです。
大人になり自分で車を運転するようになると、イトーヨーカ堂が未出店の地域だったこともあり、イオンがメインになりました。
すでにショッピングセンターとして全国展開をしていました。
シネコンも併設されていて、とても使い勝手が良かったです。
2年ほど単身赴任していたとき、イトーヨーカ堂とイオンが近くにありました。
すでにイオンを頻繁に利用していたこともあり、イオンをよく使っていました。
そして何より、イトーヨーカ堂は食品の買い物はできても、それ以外が何もない。
イオンは食品の買い物以外でも、過ごすことができる。
単身赴任者にとって、この差はとても大きいものでした。
2023年現在
ダイエーは産業再生法の適用を、事実上の倒産。
紆余曲折を経て、イオングループの一ブランドとなっています。
ジャスコはこの本がでた2011年3月に、イオンへとブランドを一新。
ジャスコブランドは無くなっています。
しかしイオンショッピングセンターの中核の一つなっているので、発展的解消と言えると思います。
イトーヨーカ堂は、唯一名前が残っていますが、業績は伸び悩み。
グループ内では、セブン‐イレブンが1番の稼ぎ頭になっています。
それでもこの本は、経営戦略の実例として、とても重要なものだと思います。
併せて読みたい
経営戦略を問いなおす
三品和広
我が家のメインはオーケー。
そんな今日この頃。
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