「疲れてる」

どうも4月からの皮膚炎が全くおさまらない。
先週、今まではなにも出来てなかった顔にまでブツブツが出てきて
唇の下が化膿し出した。

頭に至っては眠れないレベルで常に痒い。

流石に別の医者に診てもらった方が良いな、と、今まで行ったことがない皮膚科の門を叩いた。

そこの先生によると、どうも私が今まで処方されていた薬は最悪の時に短期的に出す超絶強力なステロイド&抗生剤で
「そんなの2ヶ月も飲んで塗ってたら身体おかしくなるよ!」と言われた。

そう言われましても…薬についてドシロウトの私にはそんな判断は出来なかった訳で…

そして唇の下の化膿してるのは口唇ヘルペスだった。免疫が落ちているとなる病気だ。

「疲れてるんじゃない?ストレスがたまってるのね」

あーーーもう!
どいつもこいつも「疲れてる」「ストレス」で片付けやがって!
ごめんで済めば警察はいらないけど、「疲れてる」「ストレス」で済めば医者なんていらねぇーよ!

内心ぶちキレていると、「何か悩んでることでもあるんじゃない?炎症もないのに頭がそんなに痒いってことは、何か考えすぎて神経性でってこともあるわよ」

そう言うわけでぶちキレかけてはいたが、車いすユーザーの婚約者がいて、一緒に住む部屋を探しているが
必ず段差があったり、リフォームしなくてはならない場所に配管やブレーカーがあったりで
2ヶ月近く探しているが、「まず住める」場所が無い!(陽当たりとか間取りとか立地は無視して、住めるかどうかの段階でアウト)と言う話をした。

そしたらなぜかその先生がキレ出した(笑)

「日本ってまだそんなに遅れてるの?!
…もう何十年も前だけど、仕事でカリフォルニアに行ってたことがあってね。
そしたら、向こうってアパートでもマンションでも、集合住宅には必ず何部屋かは完全バリアフリーの部屋があるの。
私がたまたま入居を希望した建物は、完全バリアフリーの部屋しか空いていなくて…"障害者の入居希望者が来たらすぐに部屋を明け渡す"って条件でそこに入ったの。
結局、私が住んでる間に希望者は現れなかったけど…トイレも広くて快適で、健常者が住むのにも良いところだったわ。
…日本は、そもそも自分たちでリフォームしなくちゃ行けないうえに、リフォームできる部屋を見つけるのにそんなに苦労するって、一体どういうこと!?」

そうか。
これが「本来の感覚」なのか。

私たちは「健常者の健常者による健常者のための建物」しかないのが当たり前と思っていた。
(だっていくら探してもそれしかないから)。

考えてみたら、不動産屋に行って
「完全バリアフリーの物件」を探すのではなく
「トイレやお風呂をリフォームできる物件」を探すってのも変な話だ。

無意識のうちに相当なストレスがかかっていたのかも…。

もしも。もしも「すべてのマンションが必ず一部屋は完全バリアフリーの部屋を設けていなくてはいけない」と言う決まりがあったとしたら。

「最寄り駅はこの沿線が良いな」とか、「やっぱり陽当たり重視!」とか、「コンビニは近くにないと」とか、
「普通の」部屋探しが出来るのか。

この感情をうまく言葉にできないけど、まるで「おまえらは住むな」と、建物に言われているようで悔しい。


物凄く余談なんだけど、今年の正月に彼との同棲を親に軽くほのめかした時に

「車いすの相手のせいであんたが迷惑を被るのよ」

って言われてブチキレて首根っこ掴んだっけ。

結局正月以来実家とは連絡を絶っている。


考えてみても欲しい。
車いすユーザーの、どこに非がある?
なぜ、選択肢を狭められるのが当たり前で、
周りに「迷惑をかけて生きている」と言われなくては無らない?

事故に遭い、生死をさまよい、やっと生還し、ハードなリハビリに耐え、職業訓練を積み、就職。きちんとフルタイムで働いている。周囲に迷惑などかけていない。

迷惑をかけているのは
「健常者の健常者による健常者のための社会」を「当たり前」にしてきた人たち、まさにその人達のほうだ。

その人達のせいで私たちが迷惑・不便を強いられているのだ。



私の頭と身体はまだまだ当分、痒そうだ。

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ぎん
もしサポート頂けたら、行く離島を増やします!…嘘です(笑)車いすユーザーの婚約者との結婚資金に使わせていただきます😄