Day7: The beautiful scone
考えろ。頭を使え。
大人になるとあまり言われなくなる言葉ですが、どこかの誰かから言われたような気がしました。そうか、なんとなくじゃ駄目だ。
あの時食べた、美味しすぎて言葉を失ったあのスコーンは、もっと黄色かったのです。自分のスコーンはクリーム色をしていますので、明らかに何かが違うのです。
これまで、黄色の原材料として思い浮かべていたのは卵だけでした。しかしながら、黄色は卵だけじゃないことに、遂に気づきました。
そうか、黄色い粉を使えばいいのかもしれない。
今回は、前回のDay 6から粉の種類「だけ」を変更します。
私の最も苦手とする行為、「だけ」。そう、私は欲張りなのです。
今回の、原材料たちの集合写真はこちらになります。
なんと。
まず、前回の記事について、謝らなければいけないことがあります。私は、なんと、「旭化成のクレラップ」と呼んでしまいました。正しくは「旭化成のサランラップ」でした。クレハのみなさん、旭化成のみなさん、どうかお許しください。「呉ラップ」だったのですね。
卵はセブンイレブンで購入した、色々強化されているものを使用しました。最近の卵はビタミンEやら葉酸を強化しているようです。これしか売ってなかったのでこれにしました。星三つ、ありがとうございます。
以前どこかで記載しましたが、私は「おいしい」という言葉に非常に弱いのです。ミルク売り場でどどんと大きく「おいしい」なんて書かれたものなら、右手がすっと延びてしまいます。消費期限内に1Lを使用するのは難しいので、容量が450mLのものを購入しました。
スーパーマーケットでは、アーモンドミルク、ソイミルク、いろんなミルクを見かけました。どんなミルクでも素敵ですが、おそらく私は、「オーガニック」や「無添加」よりも、「おいしい」という言葉に吸い寄せられるでしょう。
今回使用した小麦粉について紹介します。ドイツよりはるばる我が家にお越しいだいた、富澤商店のスペルト小麦粉。粉が、少し黄色っぽいです。実はドイツでスコーン作りに勤しんでいた頃、スペルト小麦を使用していたのです。粉の一部を日本に持ち帰ったのですが、香りがずいぶん落ちてしまったので、今回このようにして入手できたことに感謝申し上げます。
余談ではありますが、私の祖先は商店やさんだったらしいです。自分がいいと思ったものをセレクトし、お客さまに知っていただく、かっこいいお仕事たと思います。富澤商店さんのことも応援しています。いつもありがとう。
バターは、いつになったら1カット一発で55 gを秤量できるようになるでしょうか。今回4カットです。
前回は強行したのですが、ベイキングパウダーのダマが気になったので、スプーンの背中を使ってすりすり潰してみました。
少しだけ、左官屋さんになった気分です。
混ぜる工程は前回と同じように実施しました。
粉とバターまではよかったのですが、卵を混ぜた瞬間、卵から「僕混ざりたくない!」という抵抗を受けました。薄力粉ではないので、グルテンを形成しやすいことから、たくさんまぜたくなかったので、結果的に卵が卵として残ってしまいました。
生地が不均一ですが、作業を続行しました。旭化成のサランラップの上で生地を数回折りたたみ、厚さを2cmにして冷蔵庫で寝かせました。前回は6時間だったのですが、今回はO/N、16時間です。これは化学の実験でover nightを表す略語です。W/Oをwithoutと書くのも、ついでに覚えておきましょう。この略語を知らない人もいるので、使用することはあまり推奨しません。
表面にミルクを塗りました。
オーブンの設定は、下段で200度18分です。前回、中段で200度15分で表面を焦がしてしまったので、焼成する位置を変更しました。
完成品がこちらです。
理想のスコーンから遠のきました!
みてください。このクラック。生地が悲鳴をあげています。足腰の強い人が100kgのバーベルを懸命に持ちあげているようです。
私の理想のスコーンは、サザエさんのオープニングで、猫のタマちゃんがみかんからひょこっと出てくるような、軽やかなクラックを想定しています。
なぜでしょう。理由として、三つ考えています。
ひとつめは、そもそも小麦粉は薄力粉を使うべきだということ。インターネットでは薄力粉のレシピも強力粉のレシピも存在しており、結局は「自分がどのようなスコーンを焼きたいのか」で使い分けられているようです。もしかしたら、私は薄力粉でしか表現できないことを求めているのかもしれません。こちらは仮説として頭の片隅に入れておきます。
ふたつめは、冷蔵庫で寝かせた時間です。前回は深夜0時に冷蔵庫に入れ、翌日朝6時に焼き始めていました。今回は夕方6時に冷蔵庫に入れ、次の日の昼の12時に型を抜いています。10時間ほど長く寝かせたことで、よりぎゅっと固まってしまったような気もしています。次回は短めにやってみます。
みっつめは、先ほどの写真でもあった攪拌不足です。加熱されると固まる卵という存在が均一化されていないことで、熱勾配が発生し、均一に加熱されないことがうまく割れない要因となっているのかもしれません。卵とミルクを混ぜてから添加する等、次回工夫してみようと思います。
「前回と全く同じように」、がなかなかできないな〜と思います。いつも美味しいものを作ってしまう世界の職人さんたちに心からの敬意を。
私、レシピが決まったら、チョコレートを入れてみたいんです。チョコレートスコーンを焼きたい。
励みになります。