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「幸せジャンクション」を読んで

今回もKindleUnlimitedから選んだ本になります。

幸せジャンクション
キャンピングカーが運んだ小さな奇跡
香住奏

序盤はキャンピングカーを所有することになる話で、これが意外にスリルがあって、展開が早い。ここで職を失う主人公の立ち回りは、この後も出てくる仲間や周りの人たちとの関わり方に影響してくる。そこで物語の紹介を視点を変えて紹介します。




キャンピングカー

この話の肝であるキャンピングカーについて、興味のある方はよくご存知だと思いますが、興味が無い方はよく分からない部分もあったと思います。それをしつこくなく、丁度いい程度の解説を加えることで話は止まることなく進んでいく。
私は知人がキャンピングカーを所有しており、ある程度の知識はありましたので、それを利用した車の旅自体もとても興味深かったです。

人間関係

この物語は、私の捉え方では何よりも登場人物の繋がりが面白さを増している感じます。例えばイザコザのあった相手が意外な人物であったり、知られざる過去が明らかになるときの家族との関わりなどは、度重なる小さな奇跡をより人間染みたものに仕上げています。

出来事との向き合い方

小さな奇跡は、何もせず降ってきたものではなく、主人公が各出来事と親切丁寧に向き合う姿勢が産んだ物です。怒りや嫉妬、執着などを捨てて、身に振るアクシデントを受け入れて行く事がお互いを良い方向に導いて行きます。

セカンドライフ

還暦を迎える主人公の、予期せぬ出来事からの展開は人生のまわり道でもありながら、それでしか得られないかけがえの無い経験となること、そしてその時のパートナーがセカンドライフのヒントをくれるのは、それを意識したことがある方なら、そう言う道もあるなと思わされるでしょう。

まとめ

主人公が良い人過ぎて、ここまで悟りを開いた人間はまわりにはいませんが、決して超人的な能力や、その人にしか出来ないことではなく、心掛け次第で誰でも出来るが、中々できない(例えば人を許すことなど)ことでもあり、それを実践して奇跡を起こしていく展開が爽快であり、読んだあとの晴れやかな気持ちを与えてくれる、そんな作品でした。

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