【賞ビジネスの闇】1番は作れる!1番になってビジネスで大成功しよう!!!
自分の能力や商品等を説明する時、何かを売り込むときには、必ず他のものと比べるのは必須だ。街を歩けば、営業成績1位だの、ナンバーワンホストだの、○○の世界大会で金賞を受賞しただのという話が溢れている。それを見て、自分は今までの人生で一回でも一位を取った事がない。遠い世界の事だろうと思ったことはないだろうか。かつての私もそうだった。一夜漬けしたテストで1位を取れなかった時は、夜しか眠れなかった程である。
しかし、もう1番を羨ましいを思う必要はない。1番は作れるのだ!
このnoteを読んで、誰でも!簡単に!1番になろう!!!
部門数を増やそう
1番を作る1番簡単な方法は、1番を測る部門をたくさん作ってしまえばいい。それにはいくつかの方法が必要だ。部門の作り方をいくつか紹介するため、ここでからあげグランプリを例に挙げよう。
https://www.youtube.com/watch?v=DV8gQnjGV4E
近年のからあげブームによりからあげ専門店をいたるところで見かけるようになったが、どこの店舗でも金賞を取っている事が多い。このサイトを見ればわかるようにあまたの部門が作られている事が分かる。
・商品で分ける(しょうゆダレ、塩ダレ、手羽先、味バラエティ、素材バラエティ、チキン南蛮、スーパー総菜)
・地域別に分ける(東日本、中日本、西日本)
・複数回実施、または計測期間を分割する(現在14回目)
この手法が恐ろしいのが区分方法を掛け合わせる事で、部門の数が倍々で増えていくことである。商品で7つの部門で分け更にそれを地域で3つに分けるだけで、21部門をつくる事ができる。更にこれを毎年行う事で1番が年に21つ、このグランプリは14回目らしいので掛ける14すれば、294つ。1番に輝いたからあげ店が約300店ある事になる。
(見ればわかるように実際にはもっと少ないが)
このように部門を分割する分だけ、1番を作る事が容易に可能なのだ。これは色々なグランプリから、今年の夏は暑かったと地球温暖化対策を喧伝する方法、私立大学の受験料を多く徴収するための仕組みとしてかなり広く用いられている。
例1:異常気象を作ろう
例えば、お天気キャスターになった気分で、今年の夏はかなり暑かったと視聴者に伝えたいとしよう。
しかしここは、報道の裏付けをしっかりと行うためにも、科学的に正しいデータが必要だ。異常気象という言葉には明確な定義があり「過去30年の気候に対して著しい偏りを示した天候」の事を言う。
この言葉をなんとか使いたい。そのために何かしらの根拠を作り出そう。あなたは過去30年間に一度もなかった事項を見つける事が求められる。しかしながら、30年に一度ならば、30項目の指標があれば、一年間に何かしらの異常気象に当てはめる事ができる。
あなたはまず下記の指標を思い起こすだろう。
・最高気温
・最低気温
・平均気温
これだと物足りないので頭をひねると、最高気温によって日の呼び方が異なる事を思い出す。
・夏日の回数(最高気温が25℃以上)
・真夏日の回数(最高気温が30℃以上)
・猛暑日の回数(最高気温が35℃以上)
・酷暑日の回数(最高気温が40℃以上)
・熱帯夜の数(夜間気温が25℃以上)
これで8つの指標がつくれた。しかしまだ足りない。ここで前項で述べた「地域別に分ける」という方法の一つを思い出す。地方予報区は11区に分ける事ができる。これを使えば88項目が作れる!
しかしこの年は少々寒冷気味で、88項目を調べても一つも当てはまらなかった。ここで、あなたはもう一つの方法を思い出す。
「複数回実施、または計測期間を分割する」
今まで8月だけを対象に考えていたあなたは、夏季の3か月間、お盆の1週間等計測期間を変更する事で265項目を作り、なんとか異常気象を作り出す事ができたのだった。
例2:私立大学の場合
ワインやモンドセレクション等、商品のグランプリは通常受験料を収入として行われている。なんとしても1番を取りたい受験者側と、お金儲けをしたい主催者側の意向が見事に組み合わさり、多くの部門が作られている。
私立大学も同じで学費だけでは運営費を賄いきれないので受験料を多く受け取るための仕組みを構築している。例えばAO入試、センター試験結果利用入試、2科目利用、3科目利用等と受験方法を複数分けている。
寛大な立命館大学では門徒開放のため、一つの学部入学のために約10回のチャンスを与えてくれるそうである。ちなみに共通テスト利用方式だと18,000円、一般入試利用方式だと35,000円かかる。
おやおやお高いと思ったそこのあなた!?
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是非入りたい学部があるならば、全ての方式に申し込もう!
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それなら倍プッシュだ!!!
称号を作り出す。金が最高だといつから錯覚していた?
金メダルと言えばスポーツでは1番成績の良かった者に贈られる代物だ。
オリンピックの金メダルはさぞかし作るのにもお金がかかっているのだろうかと思うかもしれない。
しかしあのメダル、実はメッキなのである。
金メダルは556gでそのうちたったの6gが金、残りが銀550gとなっており、金が高騰している今でも、原料は約11万円あれば買えてしまうのだ。
一体いつから金メダルは純金などと錯覚していた?
オリンピックという一大イベントで贈られるもの、テレビ中継が世界中でされるメダルがメッキだと誰が予想できるだろうか。
このように人間は勝手なイメージしてしまうものなのである。このような錯覚は利用するほかはない。
一体いつから金が一人だと錯覚していた? 例:モンドセレクション
スポーツの分野だと金銀銅は原則一人である。そのため、金賞というと一人というイメージはもっていないだろうか。言いたい事も言えないこんな世の中で生きている諸君ならば、ご存じかと思われるが、金賞は必ずしも一つである必要はない。
2016年のモンドセレクションの結果を見てみよう。
なんと、90%がなにかしらの賞を受賞し、53%が金賞を受賞している。
モンドセレクションは消費者がもつ、
・金賞は希少という錯覚
・金賞は一番上の賞という錯覚
・賞を受ける割合は少ない錯覚
という3つの錯覚を利用しており、非常にうまい例である。
企業としても申し込みの際に15万円かかるので、何かしら商品パッケージにかける話題が欲しいので、9割で受賞できるのは非常にうれしい事である。
一体いつから金が1番上のランクだと錯覚していた? 例:アムウェイ
オリンピックでは金が1番だが必ずしも、他の大会では金が1番上のランクである必要性はない。先のモンドセレクションのように、時に金よりも最高金賞、プラチナ、ブラックが上位になる事はある。
ここで一つアムウェイ会員のランクを例に挙げてみよう
なんと22段階あるうちで金つくランクが下から2番目である。
思えば、金より高価なものはいくらでもある。ここまでくると、金が1番上だと思いこんでいた自分が、視野狭窄だったのではないかと錯覚するほどだ。
一体いつからニューヨーク映画祭と錯覚していた?
折角なら有名な賞にあやかろう。映画についていうならば、多くの人は「ニューヨーク映画祭」と「国際ニューヨーク映画祭」の違いは分からない。きっと英訳した時、翻訳が違ったんじゃない?というぐらいにしか思わないはずだ。
翻訳は自由だ。
日本は1945年に第二次世界大戦で連合国に敗戦後、1956年に国際連合に加入した。日本語では名前が異なるが、英語では連合国も国際連合もUnited Nationsという言葉になる。実は連合国と国際連合は同じ組織である。
1956年当時、11年前に戦争を行っていた相手のUnited Nationsに加入する事になったのだから、相当大きな世論の反発がある事は容易に想像できる。
それを和らげるため、従来の訳語である連合国から国際連合という違う訳語をあてがう事になったらしい。
似たように歴史ある「国際ニューヨーク映画祭」は「ニューヨーク映画祭」に比べ、天と地ほどの差があるが、違いが分かっていない人からすれば、訳す時に”国際”を入れ忘れたのかな、ぐらいにしか思わないかもしれない。
えこひいきしよう 例:芥川賞、直木賞、レコード大賞
さてここまでであなたは一番になるためにタピオカコンテストを開催したり、怪しいマルチ商法を始めようとしたのかもしれない。しかし、そうするのも手間なあなたにおすすめしたい最終手段として、えこひいきするという方法がある。
なんと芥川賞と直木賞の受賞の40%がその賞に出資している文藝春秋が版元の小説が受賞しているのだ!
一体いつから芥川賞が独立した団体によって運営されていると錯覚していた
2016年10月26日に発売された「週刊文春」11月3日号で、三代目 J Soul Brothers(以下三代目JSB)がレコード大賞を受賞したのは1億円というスクープが掲載された。
考えてみてほしい、国の実施する試験等で、公平性がないのならば、大問題なのだが、民間が主催するコンペで、審査を不公平にして悪いという法律はない。
一体いつからレコード大賞が金で変えないと錯覚していた
何が1番かはあなた自身が決めよう。例:DHC
さてここまで、世間にある賞の様々なからくりを説明してきた。1番を作る事のあほらしさがよく分かったと思う。1番は希少だからこそ重要で、作り出した1番というのは、人の錯覚を利用した他人を騙すための道具なのだ。
あくまでも重要なのは自分の信じた道で一番になる事で、誰かの作ったレールで一番になる事なのだ。
ここで最後にDHCのCMを例に出して本文を終わろうと思う。
本文で解説した事項が山盛りである。
ここまで、振り切っているこのCMを私は好きだ。
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