【前編】CEOインタビュー 新しいギフト文化を創り、“MAKE MORE SMILES”を実現したい。No.1プラットフォームを目指す、ギフトモールの挑戦
ギフトモールはアジア圏ギフト領域No.1プラットフォームを目指して、2013年にシンガポールで創業されました。社長の藤田と取締役の川崎は日本からシンガポールへ移住し、日本とシンガポールを行き来しながら会社を経営しています。藤田はその理由を「最初からグローバルマーケットを狙っていたから」と話します。そこには藤田自身がリクルート在籍中に目の当たりにし、衝撃を受けたアジアマーケットの成長性がありました。藤田は何を見て何を感じ、ギフトモールを立ち上げたのでしょうか。
そして創業から10年を経て、ギフトモールグループ(LUCHE GROUP)が運営する関連サービスの月間訪問者数は3,000万人にまで成長しました。ここに至るまでの道のりにはどのような苦労があったのでしょうか。ギフトモールの過去・現在・未来、求める人材と今ギフトモールに参画することで得られるキャリアメリットなどについて、藤田に話を聞きました。
藤田 真裕
ギフトモール 代表取締役CEO
初めて父親に贈ったギフト。
そこで感じた、マーケットの“不”
−2013年にシンガポールで創業し、今年で10年目ですね。そもそもギフトモールはどのような経緯で誕生したのでしょうか?
藤田:2009年頃、社会人になって数年が経過し、精神的にも金銭的にも少し余裕が出てきた頃のことです。これまでの感謝の意を込めて父親に誕生日プレゼントを贈りたいと思い、ギフトを探しました。それまで父に自分のお金でプレゼントを贈ったことは一度もなかったので、そもそも何を贈ったらいいのか見当もつきません。検索エンジンを使って色々調べたのですが、出てくるのはアフィリエイトサイトや個人ブログ、Eコマースの商品のみが並んでいるページばかり。どんなものを贈れば喜んでもらえるのか、ネットで情報を集めることの難しさを感じました。
最終的に選んだのは木箱に入った高級和牛。これまで食べたことのないような、最高級のお肉です。父はこのプレゼントを本当に喜んでくれました。
ギフトを贈ると、こんなに喜んでもらえる。でも何を贈ったらいいかわからず、ハードルを感じてしまう人はたくさんいるに違いない。ここにマーケットの“不”がある、と感じたのが最初のきっかけでした。“不”というのは不便や不満のことです。僕が新卒で入社し、当時も在籍していたリクルートでは、マーケットの“不”にビジネスチャンスがあると常々言われていました。
そこで考えたのが、ギフト選びという“不”を解決するプロダクトを作ろうということです。そうすれば父のように、喜んでくれる人をもっと増やすことができる。そこから副業でプロダクト作りをスタートしました。副業と言っても、もちろんしばらくは収益もなく、本当に手探りです。この時に作ったのが、現在も展開している「ベストプレゼント」というギフトのランキングサイトです。どうしたらよりギフト選びがしやすくなるか?を追求し、サイトを磨いていきました。そして2013年11月にベストプレゼントを運営するLUCHE HOLDINGS PTE.LTD.をシンガポールで設立。2014年にリクルートを退職しました。
リクルートで目の当たりにした、アジアマーケットのポテンシャル
−日本ではなく、シンガポールで創業した背景にはどのような考えがあったのでしょうか。
藤田:リクルート時代、海外投資部門にいた時期がありました。投資先の候補となる企業の情報を集める中で、アジア圏をターゲットにした企業のスケール感の違い、成長スピードの速さに衝撃を受けました。世界的に見ればまだまだGDPも低いと思っていたアジアが、巨大マーケットになりつつある。日本だけでなくアジアに目を向けた瞬間、桁違いのスケール感になるんだと驚きました。
そもそも日本の人口は1億2000万人。インドネシアは2億7000万人です。日本からインドネシアにマーケットを広げるだけで、ターゲットユーザーは2倍に増えます。これをマレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポールとアジア圏で一気に展開すると、マーケット規模は桁違いです。日本を飛び出してグローバルで展開しているプロダクトのユーザー数の伸び方、出しているバリューの大きさを目の当たりにして、やるならここを目指そうと思いました。本気でサービスを作るのなら、より多くの人に使ってほしいですし、より多くの人に喜んでほしい。最初からグローバルに展開することを決めて、シンガポールで創業しました。
−グローバル展開を考えた中で、なぜアジアだったのでしょうか?
藤田:1つはGDPの伸び率です。ヨーロッパにはすでにGDPの高い国がたくさんあります。一方、2030年、2040年、2050年と世界がどうなっていくか考えたとき、成長率という面でアジアのGDPは間違いなく伸びてきます。特にインドネシアは2045年に世界の5大経済国に入るという目標を掲げています。世界のインターネット普及率の差が今後ますます縮んでくることを考えれば、どのマーケットを狙うべきかは自ずと明らかです。
またもう一つ、見逃せない観点が競合プレイヤーの存在です。アメリカやヨーロッパでは強いプレイヤーがすでに存在していますが、アジア圏ではギフトに特化した巨大プラットフォーマーが未だに存在していません。そういった背景もあって、当初からアジアマーケットを狙っていました。
−シンガポールで創業した翌年、2014年8月に株式会社ギフトモールを日本で設立していますね。どういった経緯があったのでしょうか。
藤田:シンガポールのLUCHE HOLDINGSは、ベストプレゼントを運営する会社として創業しました。ベストプレゼントはランキング形式でギフトを紹介するサイトですが、当初からお客様に近いところまでバリューを伸ばしたいと考えていました。単にギフトを紹介するだけではなく、ギフトをより選びやすく、より購入しやすくすることで、より良いギフト体験をしていただくマーケットプレイスプラットフォームへとバリューチェーンを拡張すべく生まれたのがギフトモールです。そのギフトモールを運営する会社、株式会社ギフトモールを2014年に日本で創業しました。
とは言えグローバルでどこまでユーザー数を伸ばし、売上を上げていけるか起業当初は未知数でした。そのため少し専門的な話にはなりますが、シンガポールのLUCHE HOLDINGSと日本のギフトモール、この2社の親子関係は決めずに創業しました。アジア地域でナンバーワンになるために、日本の市場とアジア市場を当初からパラレルで見据えて事業展開を行いたかったということがあります。もし仮に将来上場するということになったとしても、そのほうがコーポレートストラクチャーを考える柔軟性が上がると考えていました。
MAKE MORE SMILES / BE HAPPY
人生を懸けて取り組むなら、人を幸せにするプロダクトを作りたい
−学生時代からギフトモール創業に至るまで、様々なビジネスを経験してきた藤田さんがあえて「ギフト」という領域を選んだのはなぜでしょうか。
藤田:ビジネスという視界だけで考えると、収益の上がりやすいマーケットは他にもあると思います。ただ僕としては、自分が人生を懸けて取り組むなら人を幸せにするプロダクトを作りたいという想いがありました。それは、リクルート入社1年目に配属された旅行サイトの「じゃらん」事業部で最初に言われたメッセージがすごく印象に残っているからです。
「『じゃらん』は旅行というハレの日マーケットのプロダクトだから、使ったユーザーは幸せになってくれる。だから、『じゃらん』で働く君たちも幸せじゃなくちゃいけない。そのためにはまず、君たちが死ぬほど楽しんで幸せにならないといけないよ。」
自分たちが楽しんでこそ、その楽しさがプロダクトに反映される。だからまず、働く自分たちが誰よりも楽しみ、幸せでなくてはいけない。この言葉がずっと自分の中に残っていました。だから自分でやるならハレの日マーケットのプロダクト、人を幸せにするプロダクトがいいと思っていました。
ギフトモールでは、「MAKE MORE SMILES 世界により多くのスマイルを」というPURPOSE(パーパス)を掲げています。父親に誕生日プレゼントを贈り、贈られた父は心から喜び笑顔になりました。贈った僕自身もそんな笑顔を見て幸せを感じることができました。ギフトを通じてより多くの笑顔を作りたいと考えています。
また「じゃらん」で言われていたように、ギフトモールでも「BE HAPPY 幸せでいよう」をコアバリューに掲げています。
ここには前述の通り、まず僕ら自身が幸せであることを大切にしたいという想いを込めています。ギフトモールでは働く社員の人生が豊かであるために、働く国を問わない完全リモートワークスタイルをとっています。自分の好きな場所でワークライフバランスを大切にしながら、ギフトというチャレンジングな課題に取り組む。そんな組織でありたいと考えています。
≪後編記事はこちらから↓↓↓≫
https://note.com/giftmallcorp/n/n9c3e2215385a