CMやったことないベンチャーがはじめてCMを作ってみた話 〜ギフトモール 初CMの裏側〜
このブログは、こんな方に読んでいただきたいです。
はじめてのTVCMプロモーションを検討中のベンチャー企業の方
ギフトモールって実際どんなサービスを展開しているの?に興味をお持ちの方
CM制作ってどんなことするの?作っている人はどんなことを考えているの?を知りたい方
どんなCMをやったのか?
まずは、どんなCMをやったのか、実際にご覧ください。
こちらのCMは2022年2月中旬から約10日間ほど、全国において放映されました。関西2府4県、東海3県を含む大都市エリアを中心としたTVCMの放映と、首都圏においてはYoutubeCMや大都市でのサイネージ広告を中心に、日本の人口の約1/3にあたる「4000万人」にリーチできるように、全体のプランニングが行われました。
通常、スタートアップ企業のCMは地方からエリアを絞ってスモールスタートをしてある程度の知見をためてから全国展開をするのが定石のようですが、スピード感をもって成果をあげていきたいという考えから、こういった大規模プロモーションの実施が決まりました。
なぜ、CMをするに至ったのか?
ギフトモールはこの数年で月間利用者が数千万人もいるサービスに育っています。その一方で、利用者のほとんどは「20代 彼氏 プレゼント」、「結婚記念日 プレゼント」などのキーワード検索経由の利用者が多く、「ギフトモール」というサービス名を検索して訪問する利用者が少ないという課題がありました。我々の次の戦略として「カスタマーがプレゼントを贈るときに、いかに『ギフトモール』というサービスを第一想起して使ってもらうか」が非常に重要になってくる、と考えていました。
この構想自体は約2年ほど前から持っていたものの、当時は「では、どんなサービスとして『ギフトモール』を知ってもらうのか」という訴求ポイントが明確に絞り込めていませんでした。そこから数年の時が流れ、パーソナライズドギフトやオリジナルラッピングなどの「贈る相手に喜んでもらえる機能」が利用いただくお客様に特に好評をいただいている、ということがわかってきたことで、我々のサービスとしての強みが明確になってきました。そのタイミングと予算の都合があった2021年の年末、我々は「はじめてのCM制作プロジェクト」に乗り出すことになったのです。
CMを通して伝えたかったこと
CM制作には、元電通の東畑幸多氏のチームにご協力いただきました。プロジェクトの詳細についてはこちらのリリースをご覧ください。
我々が制作チームにお願いしたのは「ギフトモールというサービスの好意的な認知度を上げたい」ということでした。15秒という短い世界の中で、
「いかに視聴者にギフトモールというサービスを好意的に感じてもらえるか」、また「ギフトを贈るということに対して自分ごと化してもらえるか」、というポイントでした。これらをぶらさなければ、あとは「制作チームのクリエイティビティを遺憾なく発揮して最高のものを作ってほしい」、という握り方をしました。
クリエイティブについては、個人的な好みが分かれるものだと思いますし、そこについてはあえてプロフェッショナルでない自分たちがどうこう口を挟む必要はない。大切なことは、伝えたいメッセージをきちんと握り、あとはプロを信頼して任せること。CM制作においてここも大事なポイントかと思います。
好意的な認知度を上げるという目的のためにCMのコンテンツで意識したのは「ギフトがいかにすべての人の日常に存在するものか」ということです。CMではあえて特定の商品を強く訴求するのではなく、商品やギフトの機会(誕生日、卒業、結婚祝いなど)のバリエーションを見せています。
バリエーションを訴求することで、そのCMを見た視聴者が「あ、そういえばもうすぐお母さんの誕生日だ」「そろそろお父さんの退職祝いを考えないと」と少しでも考えくれる、そしてその瞬間に「ギフトモール」というサービスの記憶を刻むことができれば、CMとしての価値は十分にあるのではないかと思います。
15秒という短い世界でサービスの特徴をすべて説明するのは難しい、でも「あなたにとって大切な人に何を贈るか」というギフトの気づきを与えていけば、長期的なサービスの成長に必ず寄与してくれるのではないかと思います。CMを制作する中で、自分たちがこのことについて気づけたのも、大きな収穫でした。
CMの結果、効果はどうだったのか?
日本全国4000万人へのリーチを目的とした10日間のCMプロモーションで、実際にどんな効果があったのでしょうか?ここからはCMの効果を共有したいと思います。
(実際の数値は出せないので、放映前の比較として共有します。)
CMを放映したらある程度の効果は見込めるという確信はありましたが、特に検索数のUP幅は通常他社平均で2〜3倍ということから、かなり高い効果があったということが言えると思います。いかに「ギフト」という機会と我々のサービスが、多くの人にとって自分ごと化できるものなのかを実証できた数字なのかなと思っています。
また、出店希望の問合せも想定外のうれしい効果でした。カスタマー向けはもちろんですが、出店希望向けの問合せ対応の準備もしていたことで、実際の取引も増え、より多くの商品をサイトに掲載できるようになりました。
CMの投資対効果というのはなかなか測るのが難しいと言われますが、今回は一定の数値的な効果を得ることができ、またCM放映を通して我々が対峙しているマーケットの広さ、可能性、カスタマーとの親和性の高さを再認識できたことが何よりもの収穫でした。
まとめ
今回は「CMやったことがないベンチャー企業がはじめてのCMをやってみた」というお話をご紹介しました。期間、エリア共に限定的な(しかし規模としてはかなり大きい)キャンペーンを実施したことにより、どの程度の影響があるものなのかのデータと知見を得ることができました。今後もサービスを成長させて、今回の経験を活かしてより大規模なプロモーションを実施できればと考えています。
CMを検討するタイミングはよく考えること、サービスの特徴が際立っていない段階で検討を開始するのは、間違ったメッセージを作ることにつながる可能性もある。
CMを通して一番伝えたいことは何なのか?を制作側とシンプルに一点握ること。クリエイティブについてはプロを信頼して任せる潔さが大切。
CM放映を通して、サービスが対峙しているカスタマーをきちんと見極めること。
今回のお話がどなたかの参考になれば、幸いです。
読んでいただき、ありがとうございました!