まるでミニCEO。プロダクトの全責任を背負う新卒3年目が語る、ギフティPdMの面白さ
2022年に新卒でギフティ入社後、「giftee for Business」事業にて法人企業の顧客課題に向き合い、2年目からはPdMとして、事業成長の一躍を担う新規プロダクトの企画検討〜開発までをリードしている高見さん。
大学院の研究室ではプログラミングを学び、就職活動当初はPdMやプロダクトマネジャーという言葉さえも知らなかったという高見さんが、新卒でギフティへの入社を決めるまでの過程や、入社後のキャリア変遷まで、ざっくばらんに語っていただきました。
〈プロフィール 高見 燎世(たかみ りょうせい)〉
大阪大学大学院 情報科学研究科卒。22年度新卒。
就職活動では市場・組織の変化の大きさを軸に IT×事業会社をメインに見る中で、意思決定の質と量、市場を作る独自性のあるギフティの事業に惹かれジョイン。現在はgiftee for Businessにおいて、事業全体のグロースをミッションに新規プロダクト開発を行う。
コンテンツを生み出すプラットフォームや仕組み作りに関われるのがギフティの魅力
──高見さんは理系院卒だと伺いました。どんな学生時代、就職活動を経てギフティに入社を決められたのか、お伺いしたいです。
大学院では画像処理や機械学習を専門として研究活動を行う傍ら、小学生のためのプログラミング教室のディレクターとして、教育方針の策定や講師のオンボーディングの構築など、全体設計を行っていました。
プログラミング教室で教育方針の策定やオンボーディングの構築をしていたとき、より生徒が成長できるスクールを仕組みとしてどう作っていくか、講師ごとの強みをどうしたら活かすことができるのか、土台となる基盤を作るところから関わることに楽しさを見出していました。
この経験から、ぼんやりと将来はソフトではなくハードをつくりたいという思いがありました。ここで言う”ソフト”は実際にユーザーが触れるコンテンツの部分、逆に”ハード”はコンテンツが生まれる仕組みや文化を指します。
研究室の卒業進路の大半がエンジニアが多い中、僕も一度はエンジニアの進路を考えなくはなかったのですが、研究開発にのめり込んで楽しんでいる同期ほどエンジニアという職種で仕事を楽しめないなと感じていました。であれば自分が楽しめるものって何だろう?と考えてみたら、コンテンツの開発や提供より、仕組みや文化を作ることで中長期的な価値を作る仕事にワクワクを覚えるのではという仮説が立ちました。
文化を作りたいっていう会社はたくさんあるけど、あくまでコンテンツを連続的に生み出していくみたいな事業の会社が多いなと思ってまして。そんな中、ギフティでは中長期的にギフトを使ってインフラを作っていくことができる。これからの当たり前をつくることができるのではないかと思いました。
──なるほど。ギフトが新たなインフラとなる未来にワクワクして入社を決められたんですね。新卒1年目はどんな業務を経験されたのですか?
法人向けのギフト流通を担うgiftee for Business事業にて大手ゲーム会社、テレビ局に相対するチームにアサインされ、入社半年でとある地方テレビ局の主担当を任せていただきました。クライアントの課題は昨今のテレビ業界の視聴者離れを要因とした視聴率低下。番組視聴者がQRコードを読み取るとギフトを受け取れるといったキャンペーン検討をされているといった趣旨の問い合わせを頂いたんです。
ただ僕が思ったのは、そのキャンペーンでは継続的な視聴習慣を作るのには効果が充分でないのではということ。
そこで、同じユーザーが何度も抽選に参加できる仕組みをもったプロダクトを利用して、視聴時間に応じて別のギフトに応募できるようにすることを提案しました。
ギフティのプロダクトはモジュール(部品)同士を組み合わせることで、クライアント特有の課題をスピード感を保ちつつも、より深く解決する事ができる点が特徴です。ただ、この実現のためには、クライアント課題とギフティのプロダクト、双方の理解をハイレベルに深めないと真の解決には至りません。だからこそ、1年目はわかった気にならないということを特に意識していました。課題を表層でとらえず真に解決すべき課題を特定することや、プロダクトをモジュール的に理解することで、従来giftee for businessにはなかった新しい課題解決方法を策定し、プロダクト企画から実行までを一気通貫で携わり支援することができるようになったと感じています。
PdMはミニCEO。「プロダクトのあるべき姿の定義から実行運用まで」全工程に責任を持つ
──高見さんは現在PdM(プロダクトマネジャー)として活躍されていますが、どのような役割を担うポジションなのか改めて教えてください。
前提として会社の方針や事業構造によって、PdMの役割や指す意味は異なるものの、ギフティでは事業開発と顧客体験とプロダクト開発の三方のバランスをとりながら顧客課題の解決に責任を持つ役割をPdMと呼んでいます。
プロダクトは、継続的な顧客課題解決や、顧客ニーズを満たすために存在するもの。プロダクト要求/要件を定義をし、開発を推進するだけでなく、自分で顧客相対しながら一次情報を取りに行きますし、得た情報を元にプロダクトが解決できる課題は何か?をアップデートし続ける。
その上で、課題が見えてきたらビジネスモデルやUXなど、何を提供するべきかというWhatを考えていく。最後にHowとしてUI設計から開発設計、営業活動などの推進を検討する。PdMはよくミニCEOと言われるんですよね。プロダクトの価値向上のために足りないことはなんでも自分で補っていく姿勢で事業やマーケットに向き合っています。
──ギフティは”事業を作れる人材の育成”を新卒採用方針に掲げていますが、新卒にこんなことを任せられるのかと驚いたエピソードはありますか。
2年目になった直後に※ポイントサービスを立ち上げる企業を支援するプロダクトのPdM(プロダクトマネジャー)を任された話でしょうか。先ほど自社プロダクトのモジュールを活用して、顧客課題をどう解決するかに1年目で向き合ったエピソードをお話しましたが、今回は顧客課題解決に必要なモジュールそのものを作り出す一つ上のレイヤーを若干新卒2年目で任された話を紹介させてください。
近年サービスの多様化によって、企業が顧客獲得にかかるコストが増大する中、ポイントサービスを用いて顧客ロイヤリティ向上を目指す動きが増えています。一方、ユーザーは貯めたポイントが魅力的なインセンティブに交換できないならば、ポイントを貯めようと思わないわけで。でも僕はギフティの持つ1000種類以上のギフトラインナップと、ユーザーに合わせた魅力的なポイント交換先を提供可能という強みが、ポイントサービスのペイン払拭に役立てられるのではと注目していました。ポイントサービス構築には多大な時間とコストがかかるため、ポイントサービスの重要性は理解していてもなかなか導入に踏み切れない企業も多く、ポイントサービスの構築から交換先のギフトまでマルっと提供できるシステム開発に踏み切ったんです。
誰のどのような課題を解決するかの検討に加え、競合やマーケットにも目を向ける必要があり、視野が一気に広がる良い経験が積めたなと振り返ってしみじみ感じます。この新規プロダクトの最終意思決定者を任せていただいた当初は、正直まだ実力はなかったと思いますが、背伸びをすればできるんじゃないかという信頼を持って任せてもらえたのは、ギフティの育成方針が色濃く現れたエピソードですね。
ギフティPdMに大事な素養は”鳥の眼・虫の目・魚の目”を持ち、プロダクトに向き合うこと
──順風満帆にキャリアを積み重ねられてますね。乗り越えるのに苦労したエピソード、また困難に直面した際に意識されていることはありますか?
いえいえ全然です(笑)。ただPdMを任された当初は、解決方法における決定からデザインなどのディテールまで全て自分が決めるものだと思い込んで、目の前の課題でいっぱいいっぱいになっていました。一度意思決定したことが後々不安になって、短期的なスパンで考えたり。
そんな時、困難を打破するために意識していたことは2つで、1つはいかにWhyに立ち返れるか、つまり何のためのプロダクトなのか起点に戻って考えること。あくまでプロダクトはチームで作るものであって、自分はその最終意思決定者でしかないんですね。
プロダクトのWhyをチームで共有して、顧客のどんな課題を解決するプロダクトであるべきか目線合わせを行い、実装すべき機能をチームで再定義する。視座の上げ下げ、焦点の絞り方をPdMとして意思決定していく機会を頂けたことが自己成長に繋がったと思っています。
もう1つは因数分解をしながらできることをやっていくことでしょうか。目の前にある困難やどうしたらいいかわからないことって、自分で全貌が掴めていないことが多いんです。じゃあそもそも今向き合っているものは何を解決したくて、どうしてこの仕事に取り組んでいるのかというWhyを考える。一つのことがクリアできると次の要素もクリアできるんですよね。ブラックボックス化されているものを言語化して、粛々と改善実行する。やりながらいくらでもトライアンドエラーしていけばいいと思っています。
──ギフティにはどんな人が多いと思いますか?
前提としてギフティは答えがない中で新しい文化や価値を提供していく会社なので、いろんな人がいた方がいい。そうじゃないと作れる価値の幅も狭まってしまいます。だから一言でこういうメンバーですって定義するのは難しいんですけど。でも予測できない変化を楽しめる人が多いのかなと思います。営業してる時もあれば、マーケティングを考えている時もある。ずっと変わらない業務に淡々と向き合う場面はギフティは少ない。未知かつ変化に富んだ状態を楽しみ、複数業務を股にかけて業務に向き合っている方が多いです。
ギフティは360度さまざまなドメインで、中長期的にマーケットに向き合っている会社です。物事を二元論や過度な抽象化をすると本質を捉えられたような気がするけど、物事を形成する裏側の力学とか構造を削ぎ落とす行為でもあると思うんですよね。過度に抽象化してしまった状態で仮に自分の仮説がずれていたら、修正をかけようと思うと大変なんです。
だからこそ、見方を単純化するのではなく物事を複雑なまま受け入れて、余白を楽しむことが求められる。複雑なものを複雑なまま受け入れたいという価値観を自分は昔から大事にしてるんですが、そういった点でもギフティはフィットしているなと感じてます。
──最後に高見さんが今後チャレンジしたいことについて教えて下さい。
目の前のことを全力でやりながら見えてきた景色を楽しむということでしょうか。すごいシンプルな回答ですね(笑)。
マーケットに向き合う中で、どんな価値提供ができるかを考え抜くことでマーケット解像度も高まり、新たな景色が見えてくる。そうしたらまた次の課題に向き合う。目標から逆算して進んでいくのではなく、連続的に目の前の分岐を選択しながら進んで行って、最後に振り返ったらこんな道筋で歩いてきたんだっていうのを楽しむ方が個人的には好きです。
就職活動を始めると、よく将来の夢を聞かれますよね。でも具体的なプランを学生のうちから持てなくても不安に思うことはないです。
目の前にあることに全力でコミットしていれば、自分が想像もしなかった機会に出逢う、そんな繰り返しの中で少しずつ自分が何がしたいかが見えてくる。そうやって自分の夢が見つかるまでのプロセスを楽しむという考え方もあると思います。