同じビジョンを見つめ、同じ言葉で語り合う。ギフティBPR担当が目指す「営業とエンジニアの架け橋」
(この記事は2022年に取材・執筆されたものであり、記事内の部署名や役職は当時のものです)
法人販売チームの一員として、社内のBPR(Business Process Reengineering)推進に取り組む茂呂真里絵さん。データの解析やメンバーへのヒヤリングなどを通し、基幹システムの運用や改善に励みます。
茂呂さんがギフティに入社したのは、昨年10月。最初の数ヶ月は業務フローを学ぶため、実際にクライアントに営業を行ったりと、キャッチアップが大変だったそうです。
会社全体の業務プロセスを見直すなど、重要な役割を求められるBPR担当。慣れないことも多いと話す茂呂さんですが、現在では営業とエンジニアをつなぐ役割として、重要な柱となっています。BPR担当として常に意識していること、自身が思うギフティメンバーの個性などについて語ってもらいました。
〈プロフィール 茂呂 真里絵(もろ まりえ)〉
早稲田大学第一文学部卒業後、新卒で大手ITコンサルティング会社に入社。スマートフォンの業務アプリ開発やIoTなどを使った現場改善ソリューションの開発を行うかたわら、営業やPM、社内のCMS設計やロゴデザイン制作にも携わるなどマルチに活躍。2021年10月にギフティに入社。法人販売チームの一員として、BPR推進をメインに行う。
セルフオンボーディングの実現に向け、営業もエンジニアも一体に
──BPRを担当しているとのことですが、具体的にはどのような役割、業務を指すのでしょうか。
社内の基幹システムの刷新を含め、法人業務全般をより素早くより快適に行えるような仕組み、運用の流れをつくることをミッションとしています。
これまでのギフティの法人販売では、営業がお客さまのフォローをしたうえで販売を進める、というかたちでした。お客さまから問い合わせが来ると、営業が返信、そのあとの納品や発行の流れにも必ず人が介在して、密にフォローするという仕組みです。
そのような中で、ギフティの事業が拡大して裾野が広がってきたこともあり、人手で全てをフォローするには厳しい状況になってきておりまして。お客さまご自身がシステムを利用して、営業のフォローなしにギフトを受け取れる、いわゆるセルフオンボーディングの仕組みが構築できたらいいね、という話になりました。
これが可能になることで、より素早い納品、サービス提供が可能になり、お客さまにとっても、営業の応答を待たなくていいというメリットが生まれる。この仕組みを実現させることが、まずは私の役割です。
──そういったシステムの改善、運用を行うために、営業とエンジニアそれぞれの意見を聞いていく必要があると。
はい。営業メンバー的にやりづらいところ、悩んでいることなどを把握しながら、それをどのような仕組みに落とすべきなのか、エンジニアのメンバーと考えるという感じです。
システムの細かいところまで考えるので、ポジションとしてはエンジニアに寄りつつも、実際には両者の視点に立つことが大事で。営業目線では、「お客様のニーズに合うか」「営業活動がどのように変わるか」という観点で考えますし、逆にエンジニア目線では、「より早く開発を進めるためにどうすれば良いか」「将来的に目指すシステムの形に拡張しやすいか」といったポイントを考慮しながら、各関係者と要件・設計の整理を進めています。
「そういうことか」と勝手に腹落ちしない。両者の意見を、両者の視点で
──そのように営業とエンジニアの架け橋になるうえで、なにか意識していることなどはありますか。
相手に合わせた言葉遣いをしながら、相手の置かれた状況をしっかりと理解する、ということですね。同じ目的に向かって議論していくためには、仲介となる私自身が「そういうことか」と、勝手に腹落ちをしないというのが重要で。
相手が仕事を進めるうえで気になっていることがあれば、なぜ気になっているのか、なぜ大変になっているのかなど、相手のことをできるだけ理解したい。自分の知識や経験だけを参照し、知っている範囲に閉じこもってしまうと、本当に求められていることに気づけない可能性がある。
話をしていて、なにか引っかかっている感覚があれば、目を背けずに「なんで引っかかってるんだろう」としっかり考える。その場で解消できなくても焦らず、「じゃあどうすればいいんだろう」とじっくり考えればいい。
とくに相手と同じ言葉で話す、というのが重要で。たとえば「商品」や「ギフト」といった単語を使った際、その言葉にしっくりきていない様子であれば、「どういう意味で使ってますか?」とその場ですり合わせる。
部署ごとに、プロダクトごとに、言葉が違ったりするので、そこを勝手に解釈したりせず、相手がどのような意味で使っているのか、しっかりと理解する。できる限り、自意識で仕事をしない。ときには解釈を挟まず、生の言葉、生の情報のまま、伝達していくことも大事になります。
──茂呂さん、エンジニア、営業メンバーの三者が同じ目線に立って進めると。
BPRはその性質上、足が長いので、最初がずれるとのちのフェーズに大きく響いてくる。そうならないためにも、双方に細かく確認を取っていく必要があり、その中で重要となるのが対話、とりわけ言葉の扱いには、注意を払っているという感じです。
もちろん、ビジョンを共有をすることも大事で。話をするうえで「このやりとりはなにを目指しているのか」と、将来像や未来の姿を確認していくことも必要。
ある機能をつくる際、それが全部で10段階ある中で、1段階、2段階の話をしているときにも、常に10段階目がゴールであることを意識しながらやっていく。長期的な事業だからこそ、このように前提を細かく共有していくことが大事になります。
──営業とエンジニア、領域がまったく異なる中で、言葉やビジョンを共有していくことは大変ではないですか。
もちろん、難しいことです。ただ、営業もエンジニアも、協力的な方が本当に多くて。それぞれが、お互いを思いやっている状態なので、板挟みになったりといったことはほとんどないんです。
普通であれば、営業とエンジニアって、それなりに隔たりがあったりすると思うのですが、ギフティの場合は「これは自分の仕事で、これは他人の仕事」といったスタンスで仕事をする人があまりいない。言われたから作りました、といった押し付け合いもなくて。
たとえばエンジニアの場合、「実際に運用するにあたって、この機能は本当に必要か」「これってお客さまにはどう受け取られるんだろう」といった営業目線での問題提起を常にしてくれる。前向きに議論を行いながら、最適なかたちをつくることができる、とてもいい環境です。
じつはこの前、エンジニアメンバーが営業のロールプレイをする機会がありまして。新しいエンジニアの社員が入ったことを機に、「営業の仕組みをしっかり理解したほうがいいのでは」「システムが営業でどう使われているかを知るべきでは」という話になり、法人販売システムを使った、営業メンバー向けの研修プログラムを受けてもらったんです。
普段お客さまが使っているシステムと、その裏の、商品を納品するための社内のシステムを体験するという内容で。実際にお客さまとして、問い合わせ、発注、納品の受け取り、逆にお客さまからの申し込み受付、納品手続き、と一連のフローを体験してもらいました。
これが「とても良かった」と好評で。なぜこの機能が必要なのか、と営業目線に立てたことで、システム開発をするうえでのバックグラウンドになったという人もいて。このような感想が出るというのは、他部署のことをしっかり考えられている証拠だなと。
私としても本当に良かったと思っていて、今後も続けていきたいです。これからは営業メンバーがエンジニアを知る機会も出てくると思いますし、そのようにお互いを深く理解していくことで、より仕事がしやすい環境になっていくと感じます。
ギフティメンバーに多い「ワクワクを楽しめる人」
──茂呂さんが、今後挑戦していきたいことはありますか。
まずはなんと言っても、BPRを成功させることですね(笑)。本当に長期的なので。何よりもやり切ることが自分の責務だと思っています。
私がイメージするゴールは、つまり、セルフオンボーディングをある程度の割合で実現できていることで、お客さまが「えっ、こんな簡単に発注できるの!」と思わず呟いてしまうようなシステムがある状態。そういった事例を、ひとつひとつ増やしていきたいです。
まだ本当に走り出しで。実現に向け、だいぶビジョンが見えてきている状況ですが、お客様への提供はまだ始められていない。いまは実現までのイメージを具体的に描いている段階です。
──今後、ギフティにはどのようなメンバーに入ってきてほしいですか。
いまのエンジニアや営業メンバーのように、自分の担当をはみ出して、いろんな領域のことを考えられる人。部署が違ったり、担当者が異なったりしていても、自分ごととして捉えられる人ですかね。
そのためには「これは自分の仕事」と固執しない、柔軟性を持っている必要があります。ギフティには、前向きで、いろんな変化を楽しめる人が多いですから。
まだ成長途中の会社とあって、日々刻々と変化をしていきますし、これからもいろんなチームが生まれていく。そういう変化を楽しめて、ワクワクを感じられるような人に入ってほしいなと思います。
(取材・文・撮影・編集:清水 翔太)