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算数が弱点科目でも楽しそうなんだけど

お正月を目前に控えたある日のこと。

長男:おかー、面白い問題思いついた。出してもいい?

私 :おう、いいよ。

長男:3つの並んだ数字の和って3の倍数になるんだけど、それはなぜでしょうか。

私 :え、例えば2+3+4=9、あ確かに3の倍数だね。4+5+6=15、あら本当だ。

長男:理由教えてあげようか?

私 :うん。

長男:1,2,3,4,5,6,7,8,9,10で、それぞれ3で割った余りを考えると、1,2,0,1,2,0,1,2,0,1で、0と1と2の足し算で絶対に3になるでしょ。

なるほどと思った。一応ネットでも調べてみたらこういう問題はあるようで、ただ方程式を使った説明が一般的だったように思う。長男は方程式を知らないため上記のように説明してくれたが、正直、方程式より私にはわかりやすかった。

長男は過去にも数字の法則を見つけて報告してきたことがあった。塾で鶴亀算を習った時には、「俺これ鶴亀算って知らずに保育園の時に考えたことあったわ」と言っていたため、頭の中で数字遊びをすることはあったのだろうと思う。親が気づかなかったのは、長男が書いて考えている姿がなかったからではないかと思う。

そんな長男であるが、算数は一番点が取れない科目だった。模試でも弱点科目として出ていた。私からすると、こうやって数字で遊ぶこともあり、点数はさておき、算数に対する苦手意識もなく楽しめているという時点で上等と思ってしまうのだが、中学受験を目指すとなると、また違うレベルを目指さなくてはいけないのだと思う。

それこそ算数男子や算数女子と言われる子達とも闘わなければならない。彼ら彼女達というのは、長男が理科が好きで材料や試薬を買い揃えて実験せずにはいられないのと同じようなことが算数で起きているのだろうと推察する。仮にそうだとすると、長男にとって算数とは、やはり中学受験で必要に迫られて勉強し始めた教科であることもまた確かなのだった。

にも関わらずよく頑張ってるなというのが私の率直な感想で、いつも不思議でならなかったのが、中学受験で必要だからといって、やる気になれるものなのかと、あるいはやり始めたら楽しくなるものなのか、どういう感じなのだろうかと思っていた。

長男に訊いたらこう言っていた。

長男:俺は目的があるからさ。

私 :興味があるからじゃないの?

長男:理科と社会は興味だけど、国語は興味とは違う気がするしね。

私 :算数は?

長男:算数は・・・まぁまぁまぁ・・・手段?

それでも第一志望校の算数だけは解いていて格別の楽しさがあるようだった。解けば解くほど「○中のことが分かってきた」と言っていた。手段としてやっている感覚もなかったのだろう。

長男の感覚としては、算数の問題は難しすぎても簡単すぎてもダメで、波に乗れる感じの問題だと点数も伸びると言っていた。抽象的ではあるが、これは重要なポイントである気がしている。

志望校を決める際に、過去問との相性が良いからその学校を志望するということは稀で、まず志望校があって、そこに向けて対策をしていくというのが一般的ではないかと思うし、長男も併願校については後者の姿勢で臨んだ。しかし本命校は、点数はそれこそ最初は全然足りなかったが、他の学校の算数を解く時とは違うフィット感はあったようなのだ。

そして不思議なもので、これは算数だけではなく、国語も理科も社会も、本命校の出題のされ方は長男にはとても合っていた。

算数の話に戻って、こちらは苦手科目という自覚があり、さらに一般的に中学受験は算数で差がつきやすいことも認識していたため、退塾後は毎日算数を中心に自己学習をしていた。