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次男の喘息発作入院と、大部屋生活で学んだこと(3)
大きな総合病院へ
喘息と思われる症状が出てから2週間ほどたったある日の早朝、思い切って総合病院に次男を連れていくことにした。
かかりつけ医から診断書は要らないから救急で行ってと言われていたが、まずは病院の夜間救急に電話して判断を仰ごうと思った。しかし混みあっていておかけ直しくださいとつながらない。ならばと、間もなく一般診療が始まる時間であったため朝一で連れて行くことにした。
しかし受付で苦戦することになる。紹介状を持っていない上に初診とあって、受付の方が冷たいのだ。
受付:紹介状がないと1万円近くかかりますが、良いですか?
私 :全然いいです、かまいません。
それでもすぐに通してもらえず、別のスタッフの方に相談しに行っていた。怪訝そうな顔でこちらを見ていた気がするが、どう見ても患者である次男が病人には見えず、高い選定療養費を払って総合病院を受診しなければいけない状態には見えなかったのだろうと思う。
なお、この選定療養費は、そのまま入院が決まると支払いは不要となる。高度専門医療が必要な患者のための病院であるため、事後でもそういった治療が必要だったと判断されれば免除なのだろう。
入院決定
どうにか最初の難関を突破して診察してもらえることになった。この先はスムーズで、医師3人が代わる代わる次男の胸の音と呼吸の様子を見て、「これはしんどかったね・・しっかり発作出てるよ。」と入院で話が進んだ。
医師:頑張って呼吸してますよね。あばら骨も少し見えてますし。
私 :下の子と比べると、そんなに骨が浮き出てるように見えなくて。分かり辛かったんですよね・・。
医師によるとリトラクションという首の付け根がくぼむような所見もあるとのことだった。呼吸が苦しい時の一つのサインであるらしい。
何より胸の音を聞いた先生が、「お母さん、すごい音してますよ。聴診器つけてみます!?」とおっしゃって、私もこの音を何よりも気にしていたわけだが、ようやく気付いてもらえて安堵であった。
私が入院手続きに行っている間に先生が次男をレントゲン室まで連れて行ってくださったり、看護師さん達も気にかけてくださったりと、とても親切だった。その後、次男は点滴が必要になった場合に備えて血管確保のために何度か針を刺すことになるのだが、2,3回試した所で気分が悪くなって吐いてしまった。
事前に「気持ち悪い」と教えてくれていたため看護師さんがビニール袋を持って準備してくれていた。横にならせてみると唇の色が白紫というか完全に血の気が引いていてびっくりした。
付き添い入院いらない!?
次男くらいの年齢になると、子供自身が精神的に安定していられるのであれば付き添いは必須ではないらしかった。
加えて、治療はステロイドの点滴か内服が一般的である所、次男はすでにステロイドの内服を直近にしていたたため、この時はこれ以上使うと副作用の方が懸念されるとのことで入院中はステロイドを使用しないことになった(※後に服用再開した)。
よって、点滴で身動きが取れないということもなく、トイレなども一人で行けそうだったため、取り急ぎ初日は一人で入院してもらうことにした。
入院の荷物を届けるために私は一度帰宅し、数時間リモートワークをした後、改めて病院に荷物を届けている。翌日からは次男に付き添って入院するつもりでいたため、「明日から一緒に泊まろうね」と声をかけて再度帰宅した。
この日は夜間に酸素の投与が必要であったようだ。入院して正解である。次男は酸素の鼻チューブを付けずとも寝続けていたであろうが、病院であればモニターで血中の酸素の量を見て適切に対処してもらえるため安心だ。
なお喘息の場合、酸素投与が不要で、内服だけで対処できる時は入院しない選択もあると聞いている。しかし、夜間は往々にして悪化するため、初日は少なくとも通院ではなく入院を選んでおくのが安心ではないかと思う。
翌朝、自身の荷物も準備して病院に向かった。しかし、いざ病室についたら次男が全然嬉しそうにしない。さらには「お母さん泊まらなくていいよ、僕一人で泊まれる」と言う。
ベッドに仰向けに寝て漫画を読み続け、大してこちらを見ようともしない。えっ?である。
遠慮しているのかと思ったが本当に必要なさそうな素振りで甘えても来ない。看護師さんも「一人でもしっかりしているし大丈夫ですよ。」とのことだったため、それならそれでと帰宅することにした。長女が逆に寂しがっていたため、家に帰るのもありではあった。
しかし想定外に断られたことで、今思えばあれは軽めのアイデンティティクライシスに違いないと思うのだが、「やっぱり来て」と連絡が来るのではないかと(←願望)ソワソワして過ごしてしまった。
なんだか調子が出ず、この日、午後は裁縫をすることにした。今にも取れそうなのに数年間ほったらかしにしていたコートのボタン付けや、微妙に長さの合わなかったズボンの裾上げもした。こうやって手仕事をするのも悪くないなと、少し心も落ち着いたのだった。
(4)につづく