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反抗期もあるのかも

最近訳あって週末の役割を夫と入れ替え、長男の塾の宿題に関するサポートは夫が、次男と長女の習い事は基本私が担当することになった。この訳についてはまた別の機会に書こうと思う。

毎週末、次男が通うバスケに付き添うようになって、自身の視野が広がった気がしている。ここに来ると他のご家庭の親子の会話が間近で見れるのだ。そうすると、なんだ我が家だけじゃなかったのか、これは子供なら普通なのか、と思えることが出てきたのだ。

つい最近、こんなやり取りを見た。

A君パパ:もっとxxしないと、毎回yyになってる。ワンパターンになってるぞ!

A君 :うるさいっ!

笑ってはいけないのだが笑ってしまった。そう、人の子だと可愛いと思えるのだ。そして、あぁこのくらいの年齢だともう普通に反抗するんだなと思っていたら、聞けば我が家の長男より一つ学年が下だという。

やり取りに親近感を覚えてしまい、ついつい話しかけてしまった。

私 :いや~A君見てたらなんか安心してしまって。うちのドラ息子(長男)だけかと思ってたんですけど、高学年になると男子も反抗するもんなんですね。

A君パパ:もう大変ですよ。こないだなんてコーチにも反抗してましたしね。

そこから子供達の練習を見ながら雑談が続いた。

A君パパ:ぼーぼ君(次男)の方がキリっとしてて、ドラ君(長男)のほうがおっとりしてますよね。

意外だった。A君パパは我が家の長男のことは長男が低学年でバスケを始めた時から知っている(長男は受験のため数か月前にバスケを退会した)。そんな風に見えるのかと新鮮だった。

私 :ドラおっとりですか?家だとぼーぼの方がおっとりしてる感じしてました。

A君パパ:ぼーぼ君の方が思ったことはっきり主張するし、キリっとしてますよ。ドラ君は色んなこと吸収して、全体見て丸く収める感じで。二人ともタイプは違いますけど、それぞれ良いリーダーになると思いますよ。ドラ君はよく皆に両手でおいでよって呼んで集めたりしてましたよ。

私は先日の長男の運動会の様子を思い出し、乗り気でなくて色々あったことや、リーダーどころか面倒見の良い同級生に世話してもらっていたであろうことを思い出していた。

A君パパ:二人とも社交的ですよね。みんな寄ってきますし。ほら、ぼーぼ君もいつも上級生が寄ってくるんですよ。コーチとも話してたんですけど、ぼーぼ君は本当は低学年チームより、もうちょっと上のチームがあると本当はそこが良いんですよね。でも今は高学年と2チームしかないので、低学年チームだと物足りないし、高学年とやるとなかなかボールが回ってこない時もあって。でも高学年と混ざっても頑張ってますよ。

確かに次男は1年ほど前に見た時よりは物怖じしなくなっていた。次男はどちらかというと正解がある方が安心するような、逆に自由にやれと言われると少し不安そうにする子だった。

バスケに限らず、例えば漢字ドリルや計算ドリルは心理的負担を感じていなさそうだが、作文となると固まってしまう感じだ。家庭で少し手ほどきしたら、今度は教えられた型を踏襲する方に頭が行ってしまい、自由に書くより正しく書きたいという気持ちが強いような所があった。そんな次男には少しでも多くの成功体験を積ませて自信に繋げてやりたいと思っていた。

それが今は確かに自分で考えて、積極的に動き、高学年にも「ヘイ!」と言って自分がいることを伝えてボールをパスしてくれと合図していた。何より安心したのは、自分なんかダメと思ってしまったり、卑屈になることなくやってくれていることだった。失敗してもニコニコして、やっちまったぜという感じですぐ次に向けて気持ちを切り替えていた。

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バスケは学校の体育館を借りてやっていて、大人はステージの上から鑑賞している。水分補給になると、子どもたちはステージに置いた水筒の所に走ってくる。

A君パパ:そんなに飲んだらお腹がタプタプになる

A君:(無視)

A君パパ:もっとパスして、もっと声だして。さっきあっち空いてたでしょ、ちゃんと見て。

A君:うるさいっ!

A君パパ:あーもうそんなに飲んだらお腹タプタプになる

見ていた私はどちらの気持ちも分かるなと思いつつ、やはり面白くて腹筋を震わせていた。笑ってはいけないと思うと堪えるのが余計に苦しい。

これが自分達の親子関係でも笑えたら良いのになと思う。

長男はA君のようにストレートに「うるさい!」と言うことは稀だ。代わりに、こんな風になる。

長男がパソコン利用のルールを何度も破ったため、これまでは口頭での約束であったものを、紙に書くように言いつけたことがあった。

そうしたら、長男はティッシュを人差し指サイズに千切り、そこにボールペンで一行ほどの誓約書を書いた。腹立たしいことこの上ない。約束もろとも破るつもりだろう。

長男は大体こんな風だから反抗期なのか素なのかはっきりしない。天邪鬼もあるから余計に分かりにくいのかも知れない。

ある日の登塾直前のこと。

長男:おかー、俺疲れた。ちょっと抱っこして。

私 :おォいいよ、いざなうよ。(長男は塾の宿題を一刻も早く終わらす必要あり)

長男:あ、じゃ抗うわ。

私 :もしかしたらあんたの天邪鬼を利用して勉強させようって魂胆かもよ。

長男:じゃ従うわ!

分かりやすい反抗ならいつでもウェルカムなのだけど。