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算数、戦略立て直し
以降、長男は「この学校の算数は8割は抑えた方が良さそうだね。」と、過去の合格者平均点を見て判断し、本番で何割程度の問題を解くべきか決めるようになった。これが上手く行き、さらに本番で予定よりも余裕があったために、全問解き、1問しか間違えなかったこともあった(自己採点)。
千葉の受験については、埼玉までの失敗を繰り返さないように、対策したことを本番で実行することに主眼を置いた。問題を難易度別に分類し、時間内に取り組む問題を取捨選択、見切る問題は潔く見切った上で、押さえるべき問題については見直しを徹底、である。
そして「易問こそ怖い」を知ってからは、本番でミスを1問に抑えられたことは自信になったようだった。
実は、親の方は自己採点した結果やっぱりダメだったとなると悪影響の方が心配で、自己採点はしない方が良いのではないかと言ったこともあった。それでも本人の意志で毎回算数だけは自己採点を欠かさなかった。
算数のラスボス現る
しかし千葉でまたしても問題に直面することになる。文意を誤解したまま解き進む時があったのだ。そうなると見直しを徹底させるより、最初の段階で勘違いを減らした方が良いのではないかと思うようになった。
そしてなぜ文意を取り違えるのかについては、今も原因がはっきりとはわかっていない。長男が中学受験生活において解いた算数の問題数が恐らくはほかの受験生と比べて少なかったであろうことは、問題のパターンや流れの把握に影響したかもしれないと思う。
ただ、算数は国語力と言われる事があり、ならば長男が読み取りで失敗する確率が低くないといけないようにも思った。算数は国語力(読解力)というのは果たして本当なのだろうか。
国語が得意な夫と長男にこの点訊いてみると、算数と国語が全く同じものであるとは思わないとのことだった。そもそも国語は書かれていること以上の想像力が要求されたり、出てくる解答も人によって表現の仕方が違ってくるが、算数では最終アウトプットが全員一致しなければならないため、出題者が文意の理解に幅が生じるような書き方をしないのではないかと思う(推測)。
とはいえ、かつて私が採点していた際に、バツをつけたところ、「なら答えこうかな」と長男がすぐに正解を出したことがあった。すかさず「問題解いてる段階で、こっちの解答も候補になってたの?」と訊けば、「いや、それはないよ。最初の解き方があってると思ってた。でも違うって言われたら、ならこうかなって思った。」と言ったことがあった。
そのため、文意の把握に若干の幅が生じてしまうようなケースもあるのかもしれないとは思う。
”読み方”に問題あり
文意の読み取り失敗には複数の要因があったであろうが、もともと長男が問題文をちゃんと読んでいないか、読んでも解いているうちに忘れたのではないかと思うことも発生していた。見つけた数のうち最小の数字だけを解答すれば良いと書かれた問題でも全ての数字を書き出していたこともあった。
そんな中、長男が解答速報を見て自己採点する姿に血の気が引いたことがあった。算数の丸付けで、大問1つ分の解答を丸覚えして丸付けをしているのである。大問の中には小問が5,6個入っている。解答が記号でア、イ、ウ、エと書かれているなら丸覚えも分かるが、数字の解答でこれをやる人がいるのかと驚いてしまった。
恐ろしいほどのスピードで丸付けをしていたため、慌てて長男を停止させて最初から丸付けをやり直すように言った記憶がある。しかし長男はそんな事お構いなしである。私だと、一問ずつ、パソコンの画面上の解答を指さし確認しながらチェックしていくが、長男はパソコンにさっと目をやると、そのまま丸を付けて、どんどん次に行ってしまった。
これはまずい。
絶対に採点ミスがあるだろうと確信した。もし問題文もこの調子で読んでいるとしたら、それは上手くいくはずがない。
そして案の定、採点ミスが1つあった。45と1/23のような解答において、解答速報は23と1/45だったのに、バツではなく丸にしていた。