テイカーではなくギバーになる
校内の研修を担当するということは、校内の先生方の時間を年間を通して奪うことと同じです。公開授業を年間で8本したとして、年度当初の方向付け、夏季研修、年間反省などを合わせると、30時間以上の時間を使うことになるし、普段の取組を入れればもっと時間を使ってもらうことになります。
その時間を自分が若手と呼ばれる頃にどのように過ごしていたかというと、自分が公開授業をする時は、長い時間をかけて準備をして、形を整えてもその時間で終わりの単発の取組にしてしまったり、自分の授業でなければ遅れていうことがあったり、その場で指導案に目を通したりと十分に準備ができないままに参加することもありました。事後研究会も何も言葉を発さないまま終わることもあったし、校内で取り組むことが決まっていたこともあまりできないまま一年を終えることもあったように思います。決して主体的に時間を使っていたとは言えません。
そこから、当事者意識が低いと費やした時間に見合う学びが得られないことを体験的に理解しました。また、形だけでやっているような空気感を感じたこともあり、そのような自分の経験してきた校内研究に関わる、あまりうまくいっていなかったことを、自分が担当することになった時に何とかいい方向に進ませたいと思うようになりました。
研修を行うには、当然皆さんに時間を割いていただいて参加してもらいます。それは、参加したい・したくないに関わらず、ほぼ強制的です。そんな時間を奪うテイカーとしての側面があり、罪悪感に似た感情を抱く時もありました。そのため、なるべく時間を守って、あるいは短くできるようにして研修を進めるようになりました。会場の場づくりも必要なプリントやスライドも可能な限り準備をして臨むようにしています。
以前、4時30分に終わると設定していたけど10分伸びてしまったことがあります。多くの先生方は、許容してくださったように感じていましたが、年間反省で時間は守ってほしいと書いていただいたこともあります。やはり、時間の設定や時間を守ることはついてはもっと意識を高めないといけないと思いました。
時間への意識をもちながら、参加される先生方が1つでも多く学ぶことのできる時間をつくることが、その時間を奪うことに対する私にできるギブなのだと、今は考えています。
その学びの量や質を高めるにはどうしたらよいのか、どうすれば校内研級がマイナスのものではなく、プラスのものとして価値が高まっていくのかを日々考えて取組を進めています。もうすぐ年間反省があり、校内の皆さんに今年度の校内研究がどうであったかを話し合い、来年度につなげるように動いていきます。私がどれだけギバーであったかもこの反省の時に問われると考えています。楽しみのような、こわいような、でも教職員の皆さん意見を受け止めて、来年度への方向付けをして今年度の仕事を終えたいと思います。
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