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校内研究の中庸化

 先日、地域の研究主任が集められ、教育委員会の指導主事から話を伺いました。何度も経験している先生は、何でこのような研修が行われるのか否定的な感情を持っておられるようでした。対称的に、若い先生方は、見通しのもてなさに困惑しながらも、熱意をもって進めようとしていて、好印象を受けました。その方々のように、やり始めたばかりでよくわからないけど、やるからには頑張っていきたいと考えておられる方に、1つの考えとして受け取ってもらえればうれしいです。



方向性を示す

 校内研究をどのような形にしていくか、ゴール設定やスタート時の方向付け、検証の仕方など、研究主任に裁量がある部分もあるでしょう。校務分掌は、学校長から仕事を委託されている建付けですので、自分がやりたいことが優先されるものではありません。校長の考える学校経営方針を把握し、その後押しがなされるような形の中であれば、主任としてやりたいことができます。そこが初めから上手くいく管理職と主任の関係もあれば、考え方が合わない場合もあるので、難しさを感じる人も多くいると思います。
 40代の校長もいれば、もうすぐ60歳を迎える校長もおられます。年齢も考え方も経験も価値観も違う中で進めていくには、他を圧倒する授業力などの教師の力をもって引っ張っていくか、バランスを取りながら先生方の力を後押しするか、大きく2つに分かれるようにと思います。そして、前者で進める方法はなかなかうまくいかないようにも感じています。AかBかどちらかではなく、そこもバランスを取りながらになりますが、私を含め、多くの先生は後者の先生は、人間関係も含めた調整をしていくことで、校内研究を円滑に進めていくことで、その役割を果たすことができると考えています。

多様性の時代に…

 この多様性の時代に、正解がないことが難しさでもありますが、それでもこれがその学校の解として決めて、進めていかなければ始まりません。主題となるテーマを決めて、取り組む内容を決めて、進め方や研究会のもち方、授業者や指導案の形式など、様々に決めていく必要があります。
 偏った考えに選択肢を狭められてしまっては、多様性も何もありません。その学校の多くの先生が自分のエネルギーを十分に発揮できるのはどういった形なのかを時間をかけて探していきます。取組を統一するのか、するならどこまでか、反対に自由度をどこまで上げるか、個人にどこまで裁量を渡すか。研究主任の仕事は、完全にどちらか一方に決めてしまうのではなく、幅の中でその学校での一番の最適解を探していく営みであるように感じます。

バランス感覚

 その時に大事だと思うのが、バランス感覚です。自分の発した言葉や投げかけた取組が、学校の先生方に受け取ってもらえているのか、そもそも伝わっているか、納得感はあるのか。それはストレートに言ってもらえることばありではないため、自分で感じながら調整するしかありません。校内研究の時間が、誰かにとって苦しいだけの時間になるのではなく、せっかく命の時間を割いて関わってくださっているので、価値のある時間にしたいものです。
 学校の先生方はすごいです。どんな設定で校内研を進めても、しっかりと学びの場にしてくださる人が多いのが事実だと思います。それに甘えず、よりよい校内研究・研修にしていこうとすれば、理解してくれたり助けてくれたりする方がきっとしるはずです。2学期は公開授業も増えてくると思います。自校の研究の時間をつくりながら、他校の実践に学ぶこともできる時間もあるでしょう。決まった答えがあるわけではありません。年度途中でも変える部分は、納得してもらえるなら変えてもいいとも思います。研究主任として頑張っておられる先生の今年度の取組がよりよいものになることを願っています。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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