見出し画像

校内研究の価値

 研究主任をさせてもらえるようになって7年目になりました。その中で、教科を1つの絞っての研究、教科を絞らない資質・能力の育成を目指した研究、そして現在は異動してすぐの学校で校内研究を進めています。
 内容が変わっても学校が変わっても考えているのは、関わっていただく先生方に「校内研究」をプラスに感じてもらうことです。教員に義務として求められている研究と修養に励むことが校内研究の根拠にもなっていると思います。ですが、そこには義務感というかやらされている感がついて回ります。その担当者が冷めた態度で進めてしまうとどうしてもその色が強くなってしまうと考えています。
 私は決して、授業に的確な意見を言って助言をしたり新しい方法を校内の先生に伝達したりするような賢い主任ではありません。話せば人を惹きつけ、聞く人に熱が伝染していくような話し方ができるとも思っていません。ただ私が研究主任を続けさせてもらう中で、校内の先生方を見て、どんな先生がいて何が必要なのかを考え、納得解や最適解を探していくことはできるようになってきたかなと考えています。
 校内研究の仕組みは、一人ではなく全体で進めることを求めるため、様々な人と話す中で新たな視点や継続的な取組を外部から得ることができます。そういう意味では、自分で創意工夫をしたい人やある程度経験をしてきた教員からすると、その全体ですすめるよさが減ってきます。だから若手に取組が回りやすいのかもしれませんが。若手が授業をすると経験年数を重ねた先生には足りないところが目立ち、教えてあげたいと思い、ここが足りないと教える。すると、授業者の中にはせっかくやったのにと思う人もいるでしょう。そんな人を見て、公開授業を受けることの全体としての価値が下がっていくように感じていました。もちろん、指導をし合う前提で授業に臨む人達は、辛辣な言葉ですら自身の糧にするのでしょうが、そんな人は少数派ではないかなとも感じています。甘いと言われても、校内での公開授業者のよさを共有することが、必要な時間になると信じて進めています。
 負の感情が出てきやすい校内研究をプラスに変換していくことが任された私の役割だと思い込み、「楽しさ」をキーワードに、参加率が上がるように回りを巻き込み、1つの答えを見つけるのではなくて、みんなで答えをつくっていくようにして、少しずつ熱を上げていけるように進めていっています。校内研究の枠組みを活用すればいろんな人との関わりをつくっていくことができます。普段は話せない人との対話や、温かいやり取りの中で職員室が過ごしやすい場所になれば、私たちのエネルギーも高まっていきやすくなります。そのことが子ども達に還っていけばすごくいい循環が生まれていくと思います。
 最後に、校内研究の価値は、自分達の価値を上げることにあると感じています。頑張った授業者が「この組織で授業ができてよかった」と、事後研究会の中での協議から新たな視点に気付き、「自分の実践を深めていくことができた」と思える時間を設計していくことができれば、校内研究をプラスに感じながらも、目的である研究と修養にもつながっていくと考えています。今年度も校内研究の価値を高めていけるように進めていきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?