考える阿呆
踊る阿呆、見る阿呆、いいや僕は考える阿呆である。
同じ阿呆なら、踊らにゃ損損。
そう、行動するものが全てをもぎ取っていく、という戒めである。
考える阿呆は結局、踊る阿呆に負ける。
何も考えずに踊れる勢いが必要なのだ。
そんなことしたら馬鹿にされるじゃないか、どうしてくれる、この私の威厳がすり減ってしまったではないか、と将軍はいう。
そんなこと、言った時点で負けている。
将軍は阿呆に負ける。
踊る阿呆は将軍のことなど気にしていない。
そりゃあ、将軍のことを無視したら、打首になってしまうから、表面上は敬っているが、本心では何も考えていない。
それより踊ることに夢中なのだ。
将軍はそれが気に入らない。
だから踊る阿呆に対してキツく当たる。少々やりすぎでは、と周りのものが思うほど、踊る阿呆は冷遇されていく。
けれど気にしないよ、踊ることに夢中だもの。
踊りが上手くなればそれだけで5日間ぐらいは生き延びる。
そんな踊る阿呆に僕はなりたい。