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古びた温泉施設、と言う愉しみ

グランピングがあったのは、昔保養所と言われたような、今となってはややレトロな温泉施設であった。

何とか経営を立て直そうと、グランピングなど新たな要素を組み入れて、何とか持たせているといった印象であった。
だから本館としてホテルも経営しているので、そこに大浴場があり、いつでも入れ入ることができる。

風呂好きの僕としては、夜と朝に入るわけで、6時ごろ、大浴場がオープンし人が集まる。
6時だと言うのに結構人がいる。
この古びた温泉施設も、まだまだ何とか経営として成り立っている。

もちろん、最新の設備ではないし、朝食バイキングなども、やや物足りないものではあるが、それでも僕はこの施設ホテルに、可能性を感じる。
改善点はたくさんあると思うが、サービスなど確かに行き届いていないところもある。
けれども、何とか多くの人が、経営し、人を楽しませていると言う事実に、僕は感謝したい。

さて、大浴場もかなり年季が入っていて、水漏れがある。
サウナで火照った体を水風呂に沈ませ、その後休憩スペースへ。整い椅子は2、3個しかなく、やや物足りないが、早朝からサウナに入る人はあまり多くなく、そこで僕もその休憩スペースを確保できた。

休憩している時に落ちてきた水滴である。

そうかお前も、長い間働き続けて、徐々に壊れていく定めにあるのか。

と言う気分になる。

戦友、と言う気分になる。

相手は古びた温泉である。

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