裸に雨が降り注ぐ
サウナに入り、しっかりと温まって水風呂でしめ、外気浴へと移る。
ここでの時間は大切にしておいて、時間は比較的長く取る。
その日、僕は疲れていた。
何せ慣れない夜勤の後だった。
僕は役に立てているのだろうか。
薄い被災者の反応の前で漠然とした不安が広がる。
うとうとと、外の椅子に腰掛けて、水滴を丁寧に拭いてから、少し目を閉じた。
なかなか全裸で、室外で、目を閉じる経験はない。
目を閉じると感覚が研ぎ澄まされる。
雨が降ってきた。
火照りを水風呂でしめた体に雨が。
全然、嫌ではない。
むしろ、その研ぎ澄まされた感覚の、わずかにできた隙間に落ちてくるように、雨は柔らかく僕を包み込んだのだ。
ベールに包まれている気持ちだった。
露天風呂に入っている時の、雨が大好きだ。
何より濡れることを全く気にする必要がないのがいい。
暖かさと冷たさを両方味わうことができるところがいい。
天気をもろに感じられているような気がしていい。
雨も悪くない、と僕は思った。
もともと、嫌いではない。