落ち葉の毛布に包まって
落ち葉の季節である。
落ち葉の季節に、ぜひやりたいことがある。
いや、実際にやった事は無い。
だからいつか、僕の夢としてやってみたいことがある。
それは、毛布のように積み重なったふかふかの落ち葉の中にダイブする。
その落ち葉に包まったまま、昼寝でもする。
これは、昔読んだ絵本にあったシーンである。
どの絵本だったのか、それがどういう流れの物語だったのか、細かいところは覚えていない。
しかし、主人公がふかふかの誰も触っていない、カラカラに乾いた、太陽の匂いがするような、ふかふかの毛布にダイブし、そこでその落ち葉にくるまって、眠ると言うシーンが、あまりにも気持ち良さげで、あまりにもメルヘンチックで、あまりにもあまりにもあまりにも。
というわけで、落ち葉にくるまって、眠るということが僕の夢の1つである。
そんな僕の夢を思い出したのが、職場から駐車場へ向かう坂道のことである。
ここは、毎年落ち葉が溜まっていて、今ちょうどそれがピークに達して、ふかふかになっている。
なんと言うことでしょう。
このふかふかの落ち葉の毛布が、さすがにだいぶすると言うには薄すぎるが、それでも、そこを歩いているとサクサクとなるように、まあまあ降り積もっている。
兎であれば、ダイブしてそのまま眠ってしまうかもしれない。
あいにく、僕は兎ではないので、その感触を歩きながら確かめるだけである。