たしなみ
たしなめば、それはすなわち大人である。
どんなたしなみをあなたは想像するのか。
それはあるときは、大人同士の触れ合いであり、あるときは紳士的な話し合いであるかもしれない。
たしなめばすなわち、誰も彼も同じ土俵に立てる。
ただたしなむだけで、大きな気球に乗った2人、それはあるときは気球船かもしれないし、深海を泳ぐ深海魚の腹の中にいる海底人なのかもしれないし、まだ地球を飛び出して宇宙にいる生命体なのかもしれない。
だしなみは人類の、いや、生命の神秘である。
僕はたしなむけれど、それを人に見せたりはしない。
そんな下品なことを、僕はできないし、たしなみを人に見せるような人には、育てられていない。
僕は育ちが良いので、たしなみを人に見せる事は無い。
けれど、心のどこかではこのたしなみを人に見てもらいたいと言う衝動が起こる。
その衝動に忠実にいれば、今の僕は無いのかもしれない。
だから、それは想像するだけで充分である。
たしなみを、1人密かに楽しむ、それが僕の日常である。
今日も仕事から帰って、疲れ果てて家に着き、そこで早速たしなもう。
たしなみは人類を救う。