飛んだカップル👫
あれは、遠い夏の日のこと。
私とその頃、付き合っていた彼は、
勤めていたデパートの定休日にデートすることが多くなっていました。
私が、彼の住む横浜の六角橋のアパートへ遊びに行き、その近くの「赤い風車」という喫茶店でランチを食べるというのが、ふたりの定番のデートになっていました。
ところが、ある日、事件が起きたのです。
いつもの様に、A定食の「生姜焼き定食」を、ふたつ注文したふたり。
私はいつも、アイスティーを一緒に頼むのですが、なぜか、毎回、食後にそれも、催促しないと出してくれないヘンなお店でしたが。
そして、その日も、定食を食べ終えた後に出されたアイスティーに私は不満でした🤢
そして、この日に、事件が突然、なんの前触れもなく、やって来ました!
いつもは彼が大体、奢ってくれるのですが、この日の彼は「たまにはカリンが奢れよな」と、半ば命令的に私に言い放ち、先にお店を出て行ってしまいました。
しかも、私はまだ、アイスティーが半分も残っていているのに、冷たくありませんか😠
そして、彼は「カリンが払えよ」
と言いながら、なんと!
私のバッグを持って、お店を出て行ってしまったのです。慌てた私はガタンと席を立ち、
彼を追いかけようとしました。
すると、店員さんが「お客さんお金払ってないですよ!」
と、私を追いかけて来ます。
「あ、ちょっと待ってください」と私は言ったのですが、周りの人が、早くも、
「おい、無銭飲食だってよ」と囁き出して、
私は冷や汗💦です。
「違います、違いますから!」とみんなに言いましたが、私の声は、皆んなに届かなかったみたい😅
(ねー、こんな可愛い女の子が無銭飲食するワケないじゃん!)とは、誰も言ってくれなかった😢
お店の人に状況を説明したかったのですが、彼はお店の前で待っていなくて、スタスタと先に歩いて行ってしまったから、
私もお店を出て彼を追いかけ、
「ちょっと、カムバック!」
と彼に向かって叫びました。
彼は振り向いて、私のNikonの黄色いバッグを肩に掛けたまま、ニコニコして、
「なによ?」と振り向きました。
「なに、じゃないでしょ!人のバッグ、勝手に持って行かないでよ」
「コレ、元々はオレのバッグだよ?Nikonのカメラの景品で付いてきたんだから」
「くれるって言ったの、そっちだし。返してよ!お財布だって入ってるのに」
と、私が怒鳴っていると少し離れたお店から店員さんが心配そうにコチラを見ています。
「もう、あなた払って来てよ!私、恥ずかしくて、あのお店にもう入れないよ」
でも、彼はイジワルですよねー。
結局、私がお店に戻ってみんなから無銭飲食の疑いを掛けられたまま、私も面倒だから、「すみませんでした」としか言えませんでした。
それにしても、あそこのマスターも、愛想の無い人だったなぁ。
ほば、毎週行ってたんだから、このお客さんが、無銭飲食するワケないって思わなかったのかなぁ?(まさか、顔も覚えられてなかったの😢)
そして、私と彼は、その「赤い風車」の喫茶店に、それからも、なぜか通い続けましたとさ。(おしまい)
(オマケ)この時の彼氏→いまの主人です。
やっぱり、私もヘンな人なのかもねー😃)