Xperia Hello! との出会い
皆さん、こんにちはYasでございます。
前回は、RoBoHonを使って色んなプログラムをかいてみて、ロボットをつかったサービスの原型を作ろうと悪戦苦闘してみるというお話でした。
ものすごく愛嬌があって、僕も山中も一目惚れだったのですが……。やはり保育園という環境はあまりにもRoBoHonにとって過酷でした。あっという間に負傷退場になってしまったのです。
ーこれじゃ、ダメだな……。
山中も僕も途方にくれたのを覚えています。
ーカワイイというのは武器であると同時に凶器なんだなぁ……
とよくわからないことに納得せざるをえませんでした。
ずっと放心状態でも仕方ないので次の一手を考えることにします。
ー次のロボットは何にしようか?
「頑丈である=工業用のロボットアーム」という式が頭をよぎりましたが、
ー保育園や幼稚園にあまりにもメカメカしいロボットがいるのはPepperくんよりもホラーだな……
という考えにいたり頭の中から追い出しました。
何か違うんだよなぁ、良いロボットないかなぁ……という思いを持ち続けながら騙し騙し開発を続けることがどうしても出来なかったので、ロボスタさんに相談にいくことにしました。
実はRoBoHonの認定試験の時にお世話になっていて、ロボットにまみれたステキな場所だったので絶対に僕らのような会社が求めているロボットがあるかもしれないと思いアポを取らせていただいてお話をしに伺いました。
こちら側が求めていること、保育園の業務をサポートするものを作りたいんだ、でも頑丈じゃないと云々カンヌンと説明をすると
「Xpreia Hello!というのがありますよ!」
とほぼ即答していただきました。やはりずっとロボットに囲まれていると反応速度も人間離れしてくるのかなぁ……と思っていると、
「ちょっと待ってくださいね」
とバックヤードに引っ込んで、ゴソゴソしてXperia Hello!本体を持ってきていただきました。こんなコンセプトで開発されていて、ここはこうなっていて……。懇切丁寧に教えていただいた結果。
- 愛嬌があって
- 頑丈で
- プログラマブル
というGifted Pocket3大条件も満たしていることが判明しました。
「これは、いいですね!!」
担当の連絡先を教えてもらい、早速一台注文してみました。善は急げです。SDKを準備して、担当の方から動かすために必要なドキュメント一式を教えていただいて、サンプルが動かせたので開発する準備はあっという間にできあがりました。RoBoHonの時にAndroidでどうやって開発するかは理解してたので、今回はさしたる苦労もなくシンプルに進みます。内心、ちょっとだけ成長を感じる瞬間ですね。
開発をするLook & Feel的なものはRoBoHonと同じで、固有要素がほとんどない分だけよりピュアなAndroidを触っている感覚です。ふるまいや発話は特定のAPIを呼び出すことによって実現するので、かなり自由度が高いです。
背中にICカードリーダが、Helloのおでこにカメラがついていて、スマホのディスプレイ部分はHelloのおなか。スマホアプリを作る感覚で作ると、お腹に配置されたボタンをポチポチやる感じになります。
何となくの開発のイメージとノリは理解したので、もっとHelloと仲良くなるために、大きなボタンをお腹に2つ設置してしゃべって!という機能と、めいくあっぷ!という機能をいたずら感覚で実装してみます。
しゃべって!は、DBに登録してある言葉をランダムに発話するというものです。AWS使い続けようかなぁ?それとも、もう少し簡単そうなFirebase使おうかな……、はたまたHerokuかなぁとバックエンドの開発環境をどうしようか悩んでいました。Firebaseがより簡単そうに見えたので、とりあえずFirebaseを利用して、Hello World的な発話のサンプルの定数部分をDB取得に置き換えただけのシンプルイズベストな機能です。
開発者の性格をきちんと反映して、「えー!?いやだぁー!」と喋ることを拒否したり、自分が住んでいる星の話をしてくれたりと中々かわいらしく仕上がりました。対して、めいくあっぷはふるまいの実験、ボタンを押すとハローの襟の色味がかわったり色んなモーションをしたりします。これも、サンプルを少し改造しただけのシンプル機能です。喋るよりはインパクトがなかったのでやっぱりロボットがしゃべってくれるのはとても大事なんだなぁという気づきにもつながりました。
これらの機能は未だにTSUMUGUの中にも入っています。しゃべっての内容は自分でカスタマイズできるようになっていますが、発話は当然のようにランダムです。あくまでロボットと触れ合うきっかけぐらいにご利用いただけると嬉しいなぁと思っています。でも、これはほぼハローというガジェットのギミックの一部分をつかってみた!というだけなのであまり本質的ではありません。
本質的には、日々のルーティンを行う上で少しでも昨日とは違う驚きを届けることです。
一通り触ってみて、創るべきもののすがたが少し見えてきました。早速、PoC: Proof of Conceptをやってみようということで、今回は以下の2つのことを念頭に開発をしていきます。実はこれがTSUMUGUの原型であるMagnet4Joy(よろこびをひきよせる磁石)です。弊社からメールを受信したことがある方はわかるかもしれませんが、なぜ磁石?というのは実はここからきてたりします。
Magnet4Joyの初期的なコンセプトは
- ロボットが子どもたちにさまざまな問いかけをする
- 保育園・幼稚園で手間がかかっているところをケアする
でした。
コンセプトも決まりました。大ボスの「出来るまでもってこないで!」という一言も後押しして、泣きながら開発をする日々がいよいよスタートです。
次回は、TSUMUGUの機能を紹介しながら。なぜこうなったのか?を中心に設計の裏話、開発の裏話、そんでもって、実はこうしたいんだけど、どうしたら出来るかなぁ?というより他力本願感もしっかり出しつつ、よりソーシャル感を出していけたらなぁと考えています。
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
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株式会社Gifted Pocketでは「親育て・業務効率化」の2側面を同時にケアする統合ソリューションTSUMUGUの販売をおこなっております。登園・降園・精算といった基本的な業務のバックアップだけではなく。自由度の高いおたより作成・集計機能を搭載。ロボットを使った様々なギミックでおどろきと会話を生み出します!是非、ご検討くださいませ。資料のご請求はこちらからどうぞ。