プレイリスト⑩(踊る阿呆に見る阿呆①)
流浪の企画、休みの慰み、プレイリストです。
見る阿呆と言われても、内向的人間なら、見られるのは恥ずかしい。
されど、恥ずかしい半面、
ショート動画で、私のダンスを披露したい、自意識から逃れてみたい等々、
誘惑が思考の淀みから、アブクとなって立ち上ることがあるのです…….。
チャレンジしてみたい……。
どんなに過酷な労働、理不尽な仕打ちに遭っている社畜でも、夜になるとスーパースターに変身してしまうことが稀にあるようです。
表現の場を得ている人はきっと幸せ。
少し滑稽、輝き、華やかで明るい。
米国にはファイトクラブという映画がありました。
疎外労働を埋め合わせるため、レジャーが高度に発達したアメリカでは、過酷な労働の慰み物に過ぎない存在が、世の中の大宗を占めていることに思い至ります。
パスカルは、人々が夢中になる時間潰しのような行為を「慰戯」と呼びました。
いい得て妙。
世の人の営みのほとんどが「慰戯」であり、それを超越する存在を、「神(信仰)」と読んでいる。
熱意や、マニアの尊称としての「神」。
トラボルタの舞いは、神に近づいたといってもいいすぎではなかったのでありましょう。
マイケルジャクソンも「神」でした。
どうしても人の良さが滲み出してしまい、BADという曲なのに、「ワル」にはとても見えない。
この踊りも、やはり一定の滑稽さを拭うことはできませんが、何度見てもシンプルに良いものです。
スリラーを初めて見たときの衝撃には負けますが、劇中登場する日の丸のハチマキを装着した若者を、日本人として誇らしいものと当時、感じたことを思い出します。
小室哲哉という「神」が君臨した時代がありました。
道長、清盛、義満………とまではいかないでしょうが、小室時代 と呼ばれることを許された稀有の存在であったことは事実です。
その小室哲哉の家臣団であるTRFです。
「ぽーう、ぽーう」という掛け声は、電子音なのか、人間の声なのかわからないが、新しいサウンドなのだと、勝手に納得した記憶があります。
最近は、お年寄り向けのダンスDVDを出すなど、いい味を出しています。
インド映画RRR。エンディングの踊りです。映画の余韻などどこ吹く風と。。
キャストの文字を見ているより、数百万倍楽しいですね。
【おまけ】
「はーっ、はーっ、はっ、はっは」
という掛け声が、映画の宣伝で当時流れていました。心に刻まれます。
練習場の地面が窪んでいるのは、数百年の鍛練でできたものだと分かります。
名作です。踊りではありませんが、芸術の域に達した証左。
少林、少林………。