2024/04/08の日経新聞を読んで
日本経済新聞社が7日まとめた採用計画調査で、2024年度の採用計画に占める中途採用比率は過去最高の43.0%と5割に迫る水準になった。少子化と人手不足を背景に、中途人材を補充要員ではなく、戦略的に経営に取り込む企業が増えている。新卒中心の採用慣行は転換点を迎えた。記事を要約すると共に所感を述べたい。
日経新聞は、主要企業5171社に採用計画を聞き、3月12日までに未確定とした企業も含め2242社を集計した。
中途採用の計画人数は23年度実績比で15.0%増の12万6309人と過去最高だった。
中途採用は人手が足りない時にその都度募集することが多かったが、あらかじめ計画を立てて採用していく動きが広がっている
顕著なのがITの分野だ。経済産業省によると、30年にはIT人材が最大で約79万人不足する見通し。
28.8%増の670人を計画する日立製作所は、社員の知人・友人を介した「リファラル採用」を導入している。
少子化を背景に、長らく続いた新卒一括採用は限界にきている。硬直的な年功序列型雇用は企業の競争力を弱める一因になっている。
社員のスキルなどによって処遇を決める柔軟な人材戦略が欠かせなくなってきた。
24年春入社の大卒採用計画人数に対する実績(充足率)は全体で88.1%にとどまった。こうした事情が中途採用シフトを強める要因の一つになっている。
私は現在新卒入社9年目で大手DX企業で勤務しているが、確かに昨年度だけで、同じ部署の中途採用者が2名増えた。身近でも中途採用者の数が増えていると実感する。そもそも、新卒一括採用は日本独自のやり方で、終身雇用制を前提とした採用方式である。非常に有難い制度だと思うし、自分のキャリアを設計しやすい。一方で、世界的に見たら異質な制度で、即戦力採用では無いので、国際競争力での低下はある。しかし、日本で即戦力採用にシフトチェンジしたら、それこそ新卒一括採用ではなくなり、大学のキャリアセンターや学生自体から暴動が起きるかもしれない。
今や柔軟な人材が求められており、中途採用者が増えるのは自然なことだと思う。新卒一括採用の右も左も分からない新人を育てるのも大事だが、キャリアを経験している中途採用者の存在も大きい。中途採用者数はこの先も増え続けるだろう。