ライン随想録 国境のある町
ライン随想録 1996年 井浦幸雄 スイス・バーゼル
随想録
バーゼルはスイス、ドイツ、フランス三国がまじわる国境の町である。
島国である日本あるいは英国ではあまり経験がないが、ヨーロッパ大陸諸国では多くの地域で国境を接した生活をしている。
スイスは北にドイツ、東にオーストリア、南にイタリア、西にフランスと4か国に囲まれ、国境から20キロ以内に人口の80パーセントが住んでいるという。
国境というときに、なにか厳しい税関が設置されているとか、パスポートの検査が行なわれるのではないかというような印象をもつが、少なくとも現在のこのあたりはかなり自由に行き来できている。
むしろ、 バーゼルのこの地域はコルマール、 ミュールーズ、といったフランスのアルザス地方、 フライブルグ、レーラックといった南ドイツ地方との結びつきがきわめて強い。
これらの地域の人々は、 バーゼルの製薬会社を始めとする雇用の機会をもとめて また買い物にと人口約18万人という比較的大きなここの町にひんぱんに訪れている。
バーゼルのスーパーマーケットのレジ、 市の中心部マルクト広場の野菜の行商にはアルザの人が多くきている。
バーゼルの人たちにとって、同国民とはいえジュネーブやチューリッヒの人々の方が、近くのアルザスや南ドイツの人々より文化的にも精神的にも遠く感ずるかもしれない。
老齢プログラマの所感
5年前にスイス旅行に行ってきました。
随想録の写真はその時のものです。
ライン川クルーズでは船に乗ってスイスからドイツに行きました。
モンブランにも行ったので、フランスにも行きました。
その時、国境を超えたのですが、どこが国境だったのかわからないほどあっけない国境越えでした。
この時の国境感が、井浦さんの随想録を読んで思い出されます。
補足
この記事は2017年頃の「ライン随想録(井浦幸雄さん)」の復刻版です。
当時、私の故郷の「おふくろの味」を井浦さんがWebに載せて下さった。
この記事は住職の息子によって今も公開されています。
しかし、井浦さんの「ライン随想録」は今やどこにも見当たりません。
それで、当時お世話になったことを思い出し、復刻することにしました。
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