メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種 1-5「パワーハラスメント」
パワハラについても、明確な概念はありませんでした。2012年3月に厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する会議」でパワハラの定義がなされました。
①暴行・障害(身体的攻撃)
②脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
③隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
④業務上明らかに不要な事や遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
⑤能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じること、仕事を与えないこと(過小な要求)
⑥私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)
更に2015年5月には厚生労働省から「パワーハラスメント対策導入マニュアル」が出されました。
①組織のトップがパワハラを無くすというメッセージ。
②ルールを決める。労使協定を締結する。
③実態把握。アンケート。
④教育する。
⑤周知する。
⑥相談や解決の場を設置する。
⑦再発防止のための取り組み。
また、2019年5月に労働施策総合推進法が改正され、パワハラの定義づけがようやくなされました。
①職場において、優越的な関係を背景とした言動
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
③雇用する労働者の就業環境が害される
上記の3要素を満たすものと定義づけました。
しかし、パワハラを規制する法整備がなされていません。このため、民法や刑法が適用されることになります。パワハラに関しては、パワハラそのものを刑事罰に問えないことから、厳罰化を求める意見があり、議論が続いています。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。パワハラ・セクハラ・モラハラの三つとも、直接法に問えないのが現状です。あくまでも、モラルに任せてしまうのが現状ではないでしょうか。
とはいえ、人が困ることをしないということが、ハラスメント対策の正解例ではないでしょうか。