メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種 7-2「職場復帰に向けての第3ステップ」

 第3ステップは「職場復帰の可否の判断および職場復帰プランの作成」です。これは一番大事な段階であると思います。

 まず、職場復帰が可能かの判断は以下の情報を基に行われます。

①労働者の職場復帰への意思の確認
 会社の判断ではなく、労働者の意思が無ければなりません。
②産業医等による主治医からの意見収集
 労働者の状態と事業所の職務内容に問題が無いかの判断がなされます。
③労働者の状態等の評価
 治療状況と病状の回復を確認します。
 業務遂行能力の確認のために以下の事を評価します。
 ・適切な睡眠リズムがあるか
 ・昼間の眠気(病的なもの)の有無
 ・注意力や集中力の程度
 ・安全な通勤の可否
 ・日常生活における業務と類似した行為の遂行状況、疲労の回復具合
  (読書やパソコン操作が一定の時間集中してできる、軽度の運動等)
 希望する復帰先や就業に関する意見も聴取します。
家族からの評価
 一番近くにいる人の意見も重要な情報です。
④職場環境等の評価
 業務や職場との適合性(人間関係など)があるかを判断します。
 作業管理や環境に関する状況も確認します。
 職場側には人事労務管理上の配慮(人事異動・勤務時間)があるかも確認します。


 労働者に対する確認事項としては、同意を得たうえで産業医が中心となって主治医からの意見収集を行います。その場合、「職場復帰支援に関する情報提供依頼書」を用います。
 
 「こころの耳」にはテンプレートや様式例がありますので、活用するとよいでしょう。

https://kokoro.mhlw.go.jp/etc/pdf/return-jouhouteikyo.pdf


職場復帰に関しては
①職場復帰日
②管理監督者による就業上の配慮
③人事労務管理上の対応等
④産業医等による医学的見地から見た意見
⑤フォローアップ
を盛り込みます。

①復帰日は労働者の状態と事業所の受け入れ準備を考慮する必要があります。
②就業上の配慮は、業務でのサポート内容や方法、業務内容や業務量の変更、段階的な就業上の配慮(残業や交代勤務、時間短縮)、その他の配慮(診療のための外出許可)を盛り込みます・
③人事労務管理上のものは、配置転換や異動の必要性、状況に応じてフレックスや裁量労働への変更の可否及び必要性、段階的な就業上配慮(危険作業、運転業務、窓口業務、苦情処理の禁止または免除)を盛り込みます。
④産業医等による医学的見地からみた意見
 医学的な見地に基づく安全配慮義務に関する助言は、今後の計画の内容に問題が無いかを確認する基準になります。
⑤フォローアップ
 管理監督者だけでなく、事業場内産業保健スタッフのフォローアップ
方法を盛り込みます。また、就業制限の見直しに関する内容や、全ての配慮や医学的観察が不要になる時期の見通しにも触れておきます。


 最後までお読みいただき、ありがとうございます。職務復帰は行われてしまうと、後戻りできません。事前にしっかりと協議や受け入れ態勢の整備が必要です。


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