メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種 1-4「セクハラ、マタハラについて」
普段から顔を合わせる職場においては、ハラスメント問題が顕著になっています。理由としては、社会情勢の変化で今までは許されていた言動が許されざる事案として認識されるようになったことと、コロナ過がひとまず落ち着き顔を合わせるようになったことによるトラブルの表面化が考えられます。
民事上の相談件数は28万件(延べ件数は約34万)近くもありますが、いじめ・嫌がらせは9万件近くにも上り、8年連続の1位となっております。
精神障害の認定件数509件のうち、いじめ・嫌がらせ・暴力に関するものが79件、セクシャルハラスメントに関するものが42件となっています。この上位2つが同時進行で見られることもあり、厚生労働省は2016年4月から相談窓口を一本化しています。
セクハラと聞くと、身体を触ることや卑猥な言動を指すイメージが強いのですが、男女の区分けを行う事もセクハラに当たるとされています。求人においても、明確な理由なく女性のみ募集したり採用することは禁じられています。(女性用トイレや更衣室での作業を行わなければならないといった理由が必要です。)
現時点ではセクハラを規制する法律が制定されていません。そのため、民法や刑法が適用されることになります。
マタニティハラスメントは相談件数も少なく。比較的新しい概念です。女性が妊娠出産したことを退職理由とすることを禁じたり解雇することが、男女雇用機会均等法によって禁止されています。
しかし広島中央保険生活協同組合事件(妊娠しや職員が希望の部署で勤務できなくなったり、その他の業務上の不利益があったために起こった裁判です。詳しくは広島県のホームページで閲覧できます。)https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/519222.pdf
広島の件があったことで、男女雇用機会均等法が強化されました。しかし、法規制がないためにセクハラと同様に民法や刑法が適用されることになっています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。現時点ではセクハラもマタハラも直接の法規制がありません。だからと言って、軽い罪ではありません。何らかの心のダメージを負わせているのは事実であります。昔は許されたからしても良いという事は大きな間違いです。そもそも、今を生きていますので、今の時世の価値観を重視しなければなりません。