親の年収、学歴と中学受験の相関
東京都では、毎年、公立小学校の卒業生の進路を取りまとめた資料を公表しています。
それによれば、都内の、国立中学・私立中学進学率トップ10をみると以下のとおりでした。
文京区、港区、目黒区、中央区、渋谷区、世田谷区、新宿区、豊島区、千代田区、武蔵野市
いずれも進学率(平均)が30%を超えています。
一方、東京都内区市別の平均年収トップ10を見てみると以下のとおりでした。
港区、千代田区、渋谷区、中央区、目黒区、文京区、世田谷区、新宿区、武蔵野市、品川区
国立・私立中学進学率が高いエリアと、富裕層が多いエリアが見事なまでに重なります。
プレジデントオンラインに掲載された同様の調査(社会教育学者・舞田 敏彦氏による調査)がありましたが、国立・私立中進学率と住民の年収の相関をとると、相関係数は+0.77という結果でした。
統計的にみてかなり強い相関があります。
つまり、リッチな地域ほど、中学受験をする子どもが多いことを示しています。
私立中学は学費が高いですし、幼少期からの塾通いの費用負担もありますので、経済力と関連するのは理解できます。
プレジデントオンラインの調査で興味深いのは、高学歴の住民の割合と国立・私立中学進学率の方が強く相関しており、都内49市区の住民の大卒率と国・私立中学進学率の相関係数は、+0.81になるそうです。
つまり、大卒の住民が多い地域ほど、国・私立の中学に進む生徒が多い傾向が強く、それは、年収よりも効いているということがわかります。
大卒=教育熱心とは限らないと思いますが、全体の傾向としては親の学歴が関係していることは事実のようです。
中学受験と社会的な階層の結びつきを垣間見た気がして少しぞっとしました。
では、中学受験は課金ゲームのようなものなのでしょうか?
教育熱心な親が、カネをかけて塾通いさせ、家庭教師などもつけるから難関中学に合格できるのでしょうか。
息子の受験に付き合っていた自分の経験からは、その答えはNOです。
どんなに資金をつぎ込んでも、「馬を水辺に連れていくことはできても、馬に水を飲ませることはできない」のが真実だと思います。